第9話
俺は今茶番劇を見てる。
顔を赤くする少女、自爆して言い訳してるむっつりスケベ、『さす兄』言って囃し立てる子分A
もう待たされ過ぎて疲れたわ。
「おい、もう良いか? 建設的な話をしようか? 」
おーおー睨む睨む。
顔真っ赤に俯きながら睨むむっつりと少女。
ニヤニヤとこちらを見る子分A。
「じゃーどうやってこの子の借金返せばいいんだよ!」
それで猪突猛進に奴隷になれってな? アホかよ。
「じゃーお前らのリーダーに会わせろ? 善人ぶってるけど奴隷の扱いは物なんだろ? どうせお前が好きでも嫌いでもその子は買われた時点で散ってるさ。
遅いか早いかだろ? 脅して金を出させようとしてるみたいだけど。
少女を見た感じ無い袖振れないからな? 」
おーおー見事なり、2人共俯いたよ!
それにしても……子分Aコイツ。
「そこのスケベはどうでも良いとして子分Aお前、そこの善人の監視役だろ? 」
子分Aの反応がおかしいんだよな……ずっとニヤニヤしてるし服装も黒で目立たないし武器もかなり良さげなんだよな。
「え?なんの事っすか?」
目が笑ってないんだよなぁ……
「うん、お前の服装がな?黒……この街に来てからそう言う服装は戦闘職だけで
しかも武器もかなり良さげだしな、黒い服はさぞかし返り血を気にしなくてもいい色だよね。
なのに筋肉の着き方から見ても暗殺系かな? ってな」
その瞬間子分Aは短剣を抜いて俺に迫って来ていたので腕を掴み投げた。
おぉ……すげぇムーンサルトバリに体捻って着地したぞ?
「まじっすか?アンタ本当に何もんですか? 」
「本当の事言っても信じて貰えないけど多分。
まぁ、良いか……何かある日、森歩いてたら別の場所に来た感じだ!」
ドヤって言ってみたけどほらー信じてない。
「本当の事言う気は無いって事っすね!」
おーおー速い速い。
でも何でだろうな?あそこのゴブリン達に比べると弱いんだよなぁ……
爺……もしかしてあそこマジで魔境だった?
子分Aの攻撃を避け続け大きく短剣を振り下ろした時に俺は軽く、かるーくサップを
その瞬間、子分Aはギュルンと目が上に向き気絶した。
「なぁ? 善人兄貴良かったな? 俺が居なかったら多分アンタ始末されてたぜ?
じゃー命の恩人だな? リーダーに紹介よろ?」
すげぇ頭コクコク頷いてるな。
俺は荷物を片手に持ち、子分Aは善人兄貴が担ぎ。
少女Aは……あ!そう言えば俺は片手に持ってた荷物を開き見ると
おい、ゴブリンよ……全部金貨じゃねぇかよ!重いと思ったわ!
10枚取り少女Aに渡す。
「おい、少女Aお前これやるから父親と縁を法的に切れるか? 」
「え?でも……」
「善人兄貴と結婚したいならしろ。俺はお前を助けて恩を売ってればコイツが良いパシリになるからな!」
「おい!?」
後ろで何か騒いでる。
「あの?名前は?」
俺の名前か……あんまり言いたく無いんだよな。
クソ親父の悪趣味で決まった名だけど……
「ジャク・アメノだ。これから善人兄貴と少女Aに頼み事をするかもしれないからその時に動いてくれたら楽かもな? 」
「分かりましたジャク様!私はメアリーです!」
「様は要らんよ。ジャクで良い」
そう言うと少女A改めメアリーは善人兄貴にお金を払い去っていった。
「あ、ありがとう」
善人兄貴よ……アンタ裏組織に向いてないぜ?
「いや、あの子のことが好きならまずは法的にあの子を守るんだな」
「行くぞ!」
「おう!」「ハイっす!」
「「え?」」
子分A既に起きてたわ……
ジャク・アメノ→アメノ・ジャク→天野鬼→天邪鬼。
俺が一切名前を言わない理由だ。
糞だろ?
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