第10話 私と植物の思い出
私の生まれ育った家には、たくさんの植物がありました。
中でもブルーベリーとキンカンは定期的に実がなっていて、幼い私はつまんでよく食べていたものです。
それが、母が買ってきたものたちだったと知ったのは、十歳のころだったでしょうか。
当時、すでに母はいませんでしたが、
「あいつは買うだけ買って、世話を一切しなかった」
と父が言った言葉を妙に覚えています。
サボテンがたくさんありました。
多分、二十鉢くらいあったと思います。姉がサボテン好きでかわいがっていました。花が何度も咲いて、
「サボテンって花が咲くんだ」
と思っていました。
後々、サボテンの花を咲かせるのは難しいと知るんですけどね。
姉貴、すんげ~!
その才能? 体質? 一ミリでもほしかったなぁ!
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