第4話 生まれ変わった俺は、手に入れた【魅了】のスキルで色んな種族の女の子を手籠めにして得たその力で世界を楽々支配するようです。とかいう話
異世界転生だと!?
「やります!」
もちろん二つ返事で了承するに決まっている。
「そ、そうですか…」
目の前の女神が俺に投げかけた問いに、考えるより早く答えていた。なんか若干苦笑いとしてやったりみたいな表情が垣間見えた気がしたが気にしない。
あんなクソみたいな現実とおさらばできるなら、どこへなりと行く覚悟を決めるのに秒も掛かるわけないのだ!
「では、テストをします。難しく考えることはありません」
どんな冒険をしたいか思い浮かべるだけで、どんな場所にどんなタイミングでどんなスキルをもって生まれいずるかが決まるという。
もちろん気に入らなければ幾らでもやり直していいと。
とはいえ流石は神様、苦行のようなリセマラなどする必要もなく、あっさりとSSRな神スキルをポンと出してくれた。
「おおおっ!!!」
参考の
【
術者が好きになった【異性】を魅了し支配する能力
術者と対象は相互強化される
レベル上昇により使用制限が緩和される
効果
・魅了した相手は絶対服従
・魅了した相手と技能/魔法を共有
・魅了した相手のステータスの一割を自身のステータスに上乗せ
・魅了した相手を一時的に強化可能(人数 持続時間 強化項目はレベル依存)
制限
・対象制限(レベルにより緩和)
・種族制限(レベルにより緩和)
・人数制限(レベルにより緩和)
・発動制限(レベルにより緩和)
・加減制限(レベルにより緩和)
特記事項
対象を完全支配することで効果が永続、魅了が解除される
レベルが一定程度上昇ごとに
性魔法適正S+
「うむむむ」
この
しかも強化にボーナスも付くっぽい。
解除条件は完全支配…… つまり、えっちぃことして身も心も心酔させられれば、その娘を永続支配できて、枠も復活する。
「実質無制限じゃん!」
あ、いや、えっちの概念があるか怪しい種、つまり魔物や幻獣なんかに使ったら、枠が永久に埋まってしまうのか……。
まあ、慎重にやれば大した問題にならない。楽して強くなれるし、もうこれで良くね? これより好条件の物件探さなくても十分……
「ハッ……(送られる世界が男の娘だらけの穢れなき楽園の可能性も……)」
ありうる。最近の異世界転生は、捻り過ぎてサイコすぎるのが普通になってきてるし…… こんな王道ハーレムものがまかり通るワケが……
「そんな詐欺まがいの展開はないから安心しなさい。なんなら、人間種以外に限れば女性の方が多いはずです。極めれば、女神すら堕とせると保証しますよ」
「えっ…!!!」
マジ! この女神様、自分も攻略対象とか言い出しましたよ。
「ああ、誤解させたかもしれませんが、私とはこれきり会うことはないでしょう。ついでに、
「…………」
えぇ……
めちゃくちゃ拒否られた。しかも地味に重い精神攻撃してきた。
「も、もちろんそんなことしませんとも」
ぅあっぶねぇ! 異能受け取った後だったら、やらかしてたかもしれないと思うとぞっとする。
「では、この異能を授けて構わないのですね」
「はい! この異能がいいと思います。むしろこれじゃなきゃ嫌です!」
んー…、ホントはこのクソださいスキル名を変えたかったんだけど、機嫌を損ねるとヤバいから言わんとこう。
中二病とかいうネットの悪ノリをホントに流行ってるって思って頑張って付けたんだろうなって感じがありありと出過ぎててエグみがキツいんだけど……。
なんだろう、子供の頃に帰省した田舎のおせち料理が全然口に合わなくて、きんとんと伊達巻ばっか食ってたら、好物だと思われてて、成長した今でもせっせと甘いものを勧めてくるばあちゃんに、なんも言えない、みたいな感じ。
「……(すまねぇ、ばあちゃん。ホントはその金あったら焼肉食べ放題がいいし、食後にアイス食べるくらいで満足なんだ)」
「どうしました?」
「いや、ふと田舎のばあちゃんを思い出して」
女神さまが憐憫の表情を浮かべる。もちろんそんな話ではない。
「そうですか……。孫に先立たれて、さぞ悲しんでおられるでしょう。葬儀で親族が集まるでしょうし、何か言葉を残すのなら伝えるのはやぶさかではありませんよ」
急にそんなこと言われてもなんも出てこない。なんかもう焼肉しか出てこない。タイミング次第じゃ、焼肉うんぬん言った直後に、しめやかに自分の火葬が始まるとかそんな流れでしょ? いや、絶対ダメでしょ。
「未練になるのでやめときます」
丁重にお断りした。
「あ、そうそう。この能力とは別に、困らない程度の言語翻訳と死者復活の特典が付くので、いきなり路頭に迷う心配はありません。能力を鑑みて様々な種族が生息する地に
「うっす。了解でっす!」
そろそろ女神との邂逅も終わりであるらしい。視界が歪み、音が遠のき、感覚が鈍る。自己の境界がなくなり自我が急速に薄れていく。
「それと、私を抱きたいなら、強くなることです。神を打ち倒せるほどになったら、こちらから抱かれに行くと約束しますよ」
薄れゆく意識の中、その言葉だけははっきりと聞こえた。他にもなにか喋っているようなのだが……… うまく……聞き…取れ……な…い………
「今度の【色欲】はずいぶんと威勢のいいぼっちゃんでしたね」
「ああ、以前のは理性が足らな過ぎた。あれでは【精霊】どもが生み出す獣となんら変わらん。善良だが欲の深い者を選んだ」
「あんなんで使えますかね?」
「知らんよ。所詮は消耗品だ。【維持】もロクに努めぬようなら【冥府】に落として【冥王】への供物にでもするさ」
「不敬ですね、聞かなかったことにします」
「ふん、【精霊】の贄にしないだけ情け深いと思うがな」
「単に後始末が面倒なだけでしょう? 雑な仕事してると自身の身が危ういですよ」
「それこそ知ったことか。私は…… 我は……っ! …… …… ――そうだな。自重するとしよう」
「では、次の被験体を連れてくるんで、ちゃんと女神しててくださいよ。宇宙が滅びるその日まで。 ……それがお前の【役割】だろう?」
「あ、あ、ああ。わかっている。問題ない」
「ところで【
「必要ない。無駄なことに割くリソースは持ち合わせておらん」
「そですか。では【維持】もされなくなったら報告する感じで」
「ああ、それでいい…」
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