6月25日

《晴れのち曇り 暑い》


 少年は少しではあるが夜中に眠れる時間が増えて、その分昼間に起きていた。ぼくも仮眠が取れたので昨日までに比べて身体の調子がいい。やはり睡眠は大切だ。

 相変わらず彼に話は通じない。そして今日は部屋を飛び出して、海へ飛び込んでしまった。彼は叫んでいた。「おうちにかえらなきゃ」って。

 みんなが言う。「あの子は連れてくるべきじゃなかった」「ここは彼の居場所じゃない」と。

 そんなの、もう何回も聞いたよ。聞き飽きたよ。今更帰してどうなるの。あんな場所よりも、たとえ嫌がっていてもこの船のほうがいいに決まっている。ぼくがいる限り、死なせないんだから。


 彼に続いて飛び込んだ海は、冷たく、深く、暗かった。でも、心地よかった。水の中なのに呼吸が楽だな、なんて思った。

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