6月24日

《晴れ》


 彼と話そうと試みるも奇声を上げているからか、ぼくの声が全く届いてないみたい。子育てって多分こんな感じなんだろうな、と途方に暮れてしまう。話が通じないし、手応えもない。


 でも、進展したことがある。少年が夜に寝てくれた! ほんの30分程度だったけれど、嬉しくてちょっと泣いた。背中を丸めて、自分を守るみたいに眠っていた。子守唄が効いたのかな。歌詞もメロディーもあやふやな拙いものは、昔3番目の兄が歌ってくれたものだ。

 彼の髪を撫でてみた。目に痛いほどの眩しい水色の髪は、雨に濡れた草みたいにキシキシしていた。荒れた肌も、コケた頬も変わっていないけれど、少しでも彼の心に寄り添えたのかもと思うと、胸がポカポカした。

 30分後は地獄だったが。

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