6月7日
《雨 風強い》
悪天候の日に限って黒旗に襲われた。奇襲がしやすいからだろうけれど、警戒して見張り台にいてくれた狙撃手ラ・エルのおかげで速やかに対応できた。ただ高いところが好きなわけじゃなかったみたい。
追い払った後 ――もちろん金目のものは回収して―― ラ・エルにお礼を伝えた。彼はぺちゃんこに濡れた髪のせいでいつもより幼く見える顔を、臭いものを嗅いだ猫のように歪め、「そういうの鬱陶しい」と言った。素直に気持ちを受け取れないタイプみたい。あわよくば少しでも話が出来たら……と思っていたのに無理そうなので背を向けると、彼のほうから続けて声を掛けられた。
「戦闘中どこにいた?」と聞かれ、首を傾げてしまった。どこ、と言われても普通に甲板にいた。そう言うが、彼は釈然としない顔をしていた。何故そんなことを聞くのか問うが、彼はぼくの質問には答えないまま去ってしまった。
内容はどうであれ、話が出来たので今日は花丸だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます