《晴れ時々雨》

　空のスケッチを始めてみた。天気のことがもっとよくわかるようになるかと思って。

　航海士のナハトに今日の予報を聞きに行くと雲を指さして「雨が降る」と教えてくれた。でも気温は高いらしい。丁度通りかかったコックのヨンが「なら昼はさっぱりしたものにしようか」と呟いていた。その言葉通り、お昼ご飯は東の大陸独自の白い麺料理だった。名前は教えてもらえなかったけれど、つるつるした細麺が濃い目の汁によく絡んで美味しかった。

　甲板よりも見張り台のほうが、空に近い。雲の形もよく見えるだろうと思い、登ってみたら先客がいた。

　狙撃手のラ・エル。短いシルバーの髪は額が見えるようにツンツンと上を向いている。ぼくの姿を見ると舌打ちしてさっさと降りてしまった。

　あまり姿を見掛けないと思ったら、ここで過ごしていたのか。追い出すような真似をしてちょっと申し訳ない。今度からは別の場所で描くようにしよう。