第6話 OBの集い(2/5)ジャンケン大会

「それでは恒例の『ジャンケンたいか~い』!」


 ジャンケン大会…?。

「堀は小柳さんチームな」

 チーム…?


「一番、小柳さんと俺だ!」

 安本さん、ノリノリで立ち上がった。

「ヨッシャー受けてやる!」

 小柳さんも立ち上がり拳を握りしめている。


「行くぞ! ジャンケンポン!」

 安本さん勝利!

「一杯目は小柳会長!」

「オー!」

 雄たけび…?


「それでは最初の一杯、頂きます!」

 一瞬で飲み干す。


 安本さんが指をさす。

「次いくぞ! うちのチームは鴫原、小柳さんチームは浦田!」

「オス!」

 大御所の二人が立ち上がり、さっそく

「ジャンケンポーン!」

 浦田さんが勝った。

「みんな、今年も集まれてよかった。頂きます!」

 鴫原さんの奥さんがすくった液体をこれもグっと飲む。

「オー!」

 歓声、雄たけび。


「堀、行け!」

 小柳さんが僕を指名する。

「道端、連敗は許されねえ!」

 安本さんがこれまた大御所の先輩、道端さんを指名する。


 だんだんわかってきた…。

 ジャンケンをやり、負けたほうが“飲む”のだ。


 僕は負けた。

「いかせて頂きます!」

 鴫原さんの奥様、なみなみとコップにわけのわからないお酒を注いだ。

 飲み干す。

「よくやった!」

 

 スコアなんて誰もつけていない。

 これが何周もまわってくる。

 そのうち

「自分、もうダメっす」

 という人が出てきます。


「代わりに私が飲ませていただきます!」

 ジャンケンに負けた人間ではなく、代わりに同一チームのまだ飲める人が飲みます。


 というわけで、ジャンケンに負けると自分もチームもつらくなります。


「勝ちました! 自分、やりました!」

「よくやった堀…、お前なら勝てると思ってた…」

 勝った人間はヒーローになります。


「すいません、負けました。自分、責任とります!」

「堀、いいんだ…。俺がお前の代わりに飲む! 次がある!」


 続きます。


 僕も他の先輩が負けたときに言いました。

「自分、飲ませてください! 」

「堀! お前ってやつは…」


 まだまだ続きます。

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