第5話 OBの集い(1/5)何かが始まる
「よお、堀…今年はこいよ!」
就職してから数年後、3期先輩の浦田さんからお誘いがありました。
毎年の夏、1泊で僕らが以前お世話になっていたマリンハウスにOBの方々が集まりヨットをレンタルしたりして遊んでいるらしい。
僕にとってはずっと上の“恐ろしい”先輩方ばかりなので遠慮していましたが、何度もお誘い頂くのもね…。
「はい、うかがいます」
なぜかその時は浦田先輩の車で行きました。
正解でしたね。
翌日の朝は最悪でしたから…。
ヨットに乗り、昼からビールを飲み、夕食はバーベキューがありその後おつまみやお酒の買い出しに行きました。
まだOBとしては若手なので、買い出しにおつきあいしました。
「これとこれな…、あとこれも…」
酒類がどんどんカゴに入れられていきます。
「多すぎませんか…」
「大丈夫、なくなるよ…」
気づくべきだったんだよな…この時に。
氷もあるし、重い…。
「これもな…」
先輩方、安本先輩と鴫原さんがある売り場で変に盛り上がっていました。
悪い予感しかしない。
その売り場の品を僕の持つカゴにいれました。
「これって…」
見た目はビーフジャーキーですがこれはね…。
でも先輩の指示は絶対なので。
マリンハウスに戻りさっそく宴会です。
「お疲れさまでした…」
OB会長の小柳さんが乾杯の音頭をとりました。
「今年は堀も新たに参加してくれてよかったよ」
そう言って頂きました。
「ヨシ! じゃあ恒例の…」
安本大先輩の目が輝きました。
5期上の鴫原さんが小まめに動き、鴫原さんの美人奥様がニコニコしていました。
大きいクーラーボックスが用意されました。
それに氷がいれられます。
焼酎が入ります。
スプライトもはいります。
オレンジジュースも入ります。
ウイスキーも入ります。
鴫原さんの奥さんが味見します。
いつのまにか用意されたオタマで紙コップにその液体が注がれました。
「薄い…!」
ウイスキーが追加されました。
「いい!」
何が始まるんだ…。
何が始まるんだよ…。
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