第68話 最強の1年組
ただ今お怒り中の魔導学院の生徒会長。
ちょっと無視しすぎたかな。
「じゃあちゃんとやるか」
「そうだね。アルト、後で3人で話し合いだね?」
「そうね。期待しているわよアルト?」
黒い笑顔で言ってくるサーシャと、少し恥ずかしげに頬を赤くしているがSっぽい笑顔を見せるソフィア。
うん、サーシャが悪魔でソフィアが天使に見える。
でもこんなこと言ったら殺されそうだな……。
俺は一瞬出かかったがなんとか堪えた。
俺達が戦闘体制に入ったのを確認した司会者が、声を張り上げる。
「それでは第3試合スタートですっ!!」
その合図と同時に俺達は飛び出す。
「サーシャとソフィアは生徒会長以外の生徒を相手してくれ! 俺は生徒会長を相手する!」
「了解だよっ! 気をつけてね!」
「アルトなら大丈夫だと思うけど、油断しないでよ」
「勿論だ!」
俺はそう返事をしてから生徒会長と対峙する。
「さて、覚悟はできているんだろうな【不適合者】?」
怒りの形相で言ってきた。
あちゃー、これはめちゃくちゃ怒ってるなぁ……。
まぁ目の前でイチャイチャされたら誰でもああなるか。
しかも自分がこれから奪おうとしている女の子がしていたら。
まぁでもあいつが悪いから俺はなんとも思わないけど。
「覚悟とはなんでしょうか? 一体何を言っているのか分かりませんね」
俺は喧嘩は買う主義なんだ。
ここぞとばかりに煽る。
「ぐッ……! き、貴様……お前には命乞いをしたくなるほどの苦痛を味合わせてやる……!」
「なら僕は貴方が命乞いをしたくなるほどボコボコにしてみましょう」
「調子に乗るなよ【不適合者】がッ! お前はぶっ殺す!」
あーあ、そんなにすぐに口調を変えたらダメじゃないか。
これだからすぐにキレる人は……。(お前もな)
名前はなんだったっけ? えっと……ああそうそう、シンだっただな。
シンが俺に向かって【ファイアアロー】を何十発も撃ってきた。
俺はそれを避けようとせずに突っ立ったままだ。
「はッ! 大口を叩いたくせに避けれていないじゃないか! 所詮【不適合者】か!」
そう言って喚くが、どうやらそう思っているのは君だけだよシン君。
観客達は、俺が何をしようとしているのか気付いているみたいだ。
まぁさっきも使ったからな。
俺は【魔力吸収】を使用して全ての魔法を吸収して消滅させる。
「なッッ!? ば、はかなッ!?」
どうやら俺の試合を見ていないようだな。
普通対戦相手の試合を見るのは当然だろうが。
そこで弱点だったりが分かるから結構重要なのだ。
まぁあいつの弱点はめちゃくちゃあったけど。
「さて、自称生徒会長様(笑)がこの程度なわけありませんよね? もっと強くしないと僕に傷ひとつどころかこの場から動かすこともできませんよ?」
俺がそういうと。
「今のはただの様子見だ! これからが本番だ! 【ギガファイア】ッッ!!」
そう言って放ってくるが、これも【魔力吸収】で消滅させる。
「なあぁ!?」
「はぁ……こんなものですか……残念です。ドロウ先輩が負けたというからどんなに強いのかと思って気を引き締めてきたのに、この程度とは……」
さぁ早く不正を使え。
俺が見抜いて大勢の前で断罪してやるから。
ついでに後で個人的にドロウ先輩に謝らせにいこう。
俺がさらに煽ってみたが、さっきから中々怒らない。
うーむ、俺も攻撃して不正を使わないといけない状況にするか。
俺は《魔銃ペネトレーション改》を取り出して威嚇射撃をする。
すると本格的にシンが焦ってきた。
よしよし、あと少しでやりそうだな。
俺は止めに言い放つ。
「魔導学院の生徒会長ってこんなに弱いんですね」
それを言った瞬間に俺の体が重くなった。
来た! これを待っていたんだ!
更にシンが魔法を放ってきたのだが、魔法の威力も上がっている。
俺の【魔力吸収】で消滅し損ねた魔法が当たる。
うーん全然痛くないし、ダメージもないな。
だがシンはそんな俺に気付かず、高笑いをし始める。
「ははははははッ! さっきまでの威勢はどうした!? そんなものか!? そのままだと死んでしまうぞ!?」
そう言って既に不正の正体に気付いた俺に攻撃してくる。
俺は【魔力吸収】を強めて
それを見てシンの顔は驚愕に染まっている。
ふふ、無様な顔だ。
俺は何事もなかったかのように立ち上がり言う。
「それでは第2ラウンドといきましょうか」
さぁ不正を暴く時間だ。
俺はゆっくりと腰を抜かした卑怯者シンに近づいていった。
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新作を投稿しました!
タイトルは、
『モブ以下転生者のゲーム世界無双~序盤で死ぬモブの女の子を守るために最強になったら、物語に巻き込まれました~』https://kakuyomu.jp/works/16817139556823421872
です!
是非見てみてください!
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