第67話 魔導学院会長との一戦……の前の軽い修羅場?

 次の試合はいよいよ魔導学院との対戦だ。


 前回優勝校と言うことなのでどれくらい強いのか楽しみだな。


 出来れば結構強いとありがたい。


 そうすれば本気で会長を攻撃できるからな。


 手加減なんてしたくないし。


 サーシャとアナを寄越せと言った奴の末路を教えてやるよ……!


 俺は口角を吊り上げる。


 するといつも通り悪口が聞こえてくるが、ここは無視だ。


 と言うか1番悪口を言ってるのアナとサーシャとソフィアじゃないか。


 俺が誰の為に怒っているかも知らないでめちゃくちゃ言ってくるな。


 流石に傷つくぞ? 俺泣いちゃうよ?


 俺が心の中で泣いていると、ユミル会長が話し始める。


「次の相手は、今までで最も厳しい戦いになるだろう。だからこの中で強い人を選ぶことにする。ドロウ、残念だが僕達は今回はベンチだよ」


 ユミル会長がそう言うと、ドロウ先輩は少し悲しげな表情になるが、否定はしない。


「まぁそれが妥当だろうな。アルト、サーシャ王女、ソフィア。アイツらははっきり言って強いのもあるが、危険だ。何をしでかしてくるか分からん。常に気を抜かないでくれ」


「「「分かりました」」」


 ドロウ先輩はそれっきり口をつむぐ。


 それを見たユミル会長が苦笑いしながら。


「あははは……前回の試合でドロウは相手の生徒会長にボコボコにされてね……。始めは勝っていたんだが、途中から逆転されたんだよ。ドロウは不正があったと言ったんだが相手にしてもらえなかった。だから君達も十分気をつけていてくれよ」


 なるほど……相手は強さはまあまあだが、何か使っていると……。


 まぁ正直俺に状態異常とかは意味ないからそこまで注意しなくてもいいか。


 だが心配なのはサーシャとソフィアだ。


 2人をチラッと見ると、なんとも思っていないような顔をしていた。

 

 あれ? 2人とも何か対策でもしているのか?

  

 まぁでも2人の強さなら大丈夫だろう。


 お、そろそろ始まるな。


 さて、どんな不正をしているのかついでに暴いてやるか。


 俺達は落ち着いた足取りでリングに向かった。







♦︎♦︎♦︎






 リングには既に魔導学院の生徒がいた。


 そして真ん中にあの俺に喧嘩を売ってきた生徒会長がニヤニヤしながら経っている。


 うぇ、気持ち悪いな……。


 サーシャ達を見ると、2人も顔を少し顰めていた。


 なんかあの生徒会長って残念な感じだよな。


 折角イケメンなのに。


「それはアルトもだよ?」


「まぁそうね。見た目は物凄くいいのに性格がね。あとたまに見せるゲス顔も気持ち悪いし」


「かはッ……!? なんでそんなにピンポイントで俺の悪い所を言えるんだ……? ねぇ俺泣くよ? 多分1人になったら」


 しかも俺の心を読むなよ……。


 どんな魔法を使ったんだ……?


 俺が涙目になりながら言っていると。


「まぁそんな所も嫌いではないんだけどね。私がいないとダメって感じがするから」


「まぁこんなんだけど、私達のことは大切にしてくれているみたいだし」


 そんな事が聞こえてきた。


「そりゃあ大事ですよ。愛しの婚約者と頼もしい友達だからな」


 俺がそう言うとサーシャは顔を真っ赤にして恥ずかしがっているが、ソフィアは少し不満げに頬を膨らませていた。


 そしてソフィアは俺の腕に抱きつくと。


「私は友達なの? こんなにも貴方が好きなのに」


 と少し頬を赤くしながら上目遣いで言ってきた。


「「え?」」


 俺とサーシャの口から驚きの声が漏れる。


 え? ソフィアって俺のこと好きだったの? それなのにこんなに辛辣なの?


 はっ! これが俗に言う『ツンデレ』か!


 俺が1人で納得していると、サーシャは目をぐるぐる回しながらテンパっていた。


「ソフィアってアルトのこと好きだったの!? 全然そんなそぶりなかったのに!?」


「だって我慢していたんだもの。でも私の試合中に貴方達がイチャイチャとしているから、腹が立ってもう隠すのをやめたのよ」


「で、でもアルトは私の婚約者なの! あまりベタベタしたらダメだよ!」


「なら私も婚約者になるわ。よろしくねアルト?」


「えっ……と、なんと言えばいいのか……」


 俺が困惑していると。


「あわわわわわわ」


「ふふっ」


 サーシャは相変わらずテンパっており、ソフィアは悪戯が成功したかのように笑っているが、顔は赤くなっていた。


「おいお前達! 俺たちを忘れるな!」


 魔導学院の生徒会長が違う意味で顔を真っ赤にして言ってくる。


 あっすっかり忘れていた。


「「「ごめんなさい。すっかり忘れてた(わ)」」」


 俺たち3人の声がハモる。


 俺を聞いて更に怒っていた。


 よし、取り敢えずこいつらボコしてから考えるか。


 俺は面倒なことは後回しにした。



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すいません短くなりました。

新作を書いていたら時間があまりありませんでした……。

明日はちゃんとした書くので、お楽しみに!


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 ではではまた次話で。

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