第62話 対抗戦の始まりです
今回短いです。
----------------------------
「それでは第50回学園対抗戦を開催しますっ!!」
かわいい感じの女性の司会が対抗戦の開始を告げる。
会場は何万もの人で埋め尽くされていた。
ふぅ……なんか沢山の人がいるから緊張するな……。
それにこの光景を集合体恐怖症の人が見たら発狂してしまうかもな。
だって俺でさえも少し気持ち悪いなと思うくらいに人がぎゅうぎゅうになっている。
「うえっ、ぎも"ぢわ"る"い"。おぼぼぼほ」
「ぎゃああああ、こいつ吐いたぞ! どうしたんだ!?」
「早くどこかに連れて行きましょう!?」
「おい、どうして吐いたんだ!?」
「はぁはぁ……いや、観客席を見てたら突然な……おろろろろろ」
「ちょっ!? ここで吐くな! 誰かこいつを保健室に連れて行ってくれ!」
…………ごめんなさい、派手にフラグ立ってましたね。
きっと俺のせいだと思います。
さっき吐いた生徒には今度お見舞いとしてお金払っておこう。
物凄く罪悪感があるから。
始めは団体戦からだ。
団体戦は、敵味方3人ずつの計6人で試合をする。
俺達魔法学園は、一回戦目でエルフの学園と戦こととなった。
よし! これであいつらをボコボコに出来るぜ!
勿論手加減はするけどな。
あんまりやりすぎると俺たちのチームが退場になりそうだし、そうなった場合の責任が俺には取れない。
だからちゃんと加減をしてボコボコにしよう。
俺はニヤリと笑う。
近くから『またアルトが悪い顔してる』とか聞こえてきた気がするが、まぁ俺の聞き間違えだろうきっと。
先程めちゃくちゃキレていたユミル会長の方を見ると、俺と同じくらいやる気だった。
ユミル会長は、俺が見ているのに気づいてこっちを向くと。
「アルト、この試合は俺たち2人でやろう」
そんなことを言ってきた。
「え? マジですか? まぁ勝てるとは思いますけど3人じゃないといけないんじゃあ……」
俺がそう言うと、ユミル会長はニヤリと悪人顔になる。
こんな会長初めて見たな……。
と言うか俺もこんな顔していたのか?
サーシャに悪人顔してるって言われた時は大して気にしていなかったが、確かにこれは指摘してしまうのもしょうがないかもしれない。
俺はやっぱりポーカーフェイスを鍛えることにした。
ただ2人だけと言うのはルール的にどうなんだ?
俺の疑問に気づいたユミル会長が答えてくれた。
「この大会のルールに3人よりも多いのはダメと書いてあるが、それよりも少ないとダメとは書いていないんだよ。だからたまに2人で出てくる学園もあるよ」
へぇ……意外とそう言うところはルーズなんだな。
まぁルールで大丈夫となっているならいっか。
「よし、それじゃあ2人でやりましょう! まぁ正直余裕だとは思いますけど」
俺がそう言うとユミル会長は頭を横に振った。
「アルト君からしたら本気を出せば余裕かもしれないけど、この会場で本気を出せば沢山の人が死んでしまう。それは避けないといけないから、アルト君は本気で戦うの禁止だよ」
まぁ元々本気なんて出さないですけどね。
でもそんなにエルフの生徒は強いのか?
まぁ戦ったらわかるか。
俺とユミル会長は、他のチームメイトに説明してなんとか出場できるようになった。
ほんとみんな優しいよね。
この大会はいわば自分の晴れ舞台なのに、それを出ないでもいいなんて。
そんなチームメイトの為にも絶対に勝たないとな。
俺はそう決意しながらユミル会長に言う。
「ユミル会長、やってやりましょう!」
「アルト……うん! アナスタシア先輩のためにも相手を驚かせようか!」
俺はユミル会長の言葉を聞いて、この会長はいい人だなと思った。
ほんといい人でイケメンとかずるいよな。
俺は観客席にいるであろうアナを探す。
えっと……アナは…………いたいた。
アナを見つけた俺は、アナに手を振って口パクで『よく見ておけよ』と言う。
するとアナは少し驚いたような顔をした後、『ありがとうございます。頑張ってくださいアルト様』と言ってきた。
うん、やっぱり美少女に応援されるのってなんか物凄い力が湧いてくるな。
自分は相変わらず単純だなと思いながら、俺とユミル会長は、リングに上がった。
さぁ、アナを馬鹿にした奴らに一発かましてやりますか!
----------------------------
今回はキリがいいのでここで終わりにしようと思います。
明日はいよいよざまぁ回?です!
お楽しみに!
この作品が面白い!まぁいいんじゃない? 早くショーン達を倒してほしい!などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!
また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などを頂けると作者の励みになります。
ではではまた次話で。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます