第56話 イリア校長にお仕置きを

 俺はもう殆ど動かない体を引き摺ってサーシャの元へ向かっていた。


「はぁはぁはぁ……サーシャの魔力が急増した……これは本気を出したんだな……それなら俺はいらないか」


 俺は近くの座れそうなところに腰掛ける。


 なぜ追うのを辞めたのかって?


 だってサーシャが本気を出したらめっちゃ強いし、笑顔が怖いんだもん。


 正直なところ今回の襲撃者にサーシャが倒されるとは思えない。


 まぁならなんでこんなに焦っていたかと言うと、サーシャが本気で戦ったら周りの建物が全て壊れるのと、俺が心配だっただけだ。


 俺が休んでいるとドロウ先輩が来てくれた。


「アルト、大丈夫か!? お前ボロボロじゃないか! 今直してやるからな!」


 そう言って俺に駆け寄って回復魔法を使ってくれる。


 ああ……体が楽になるぜ……やっぱりこの世界は凄いなぁ……。


 俺のボロボロだった体がほんの5分程で回復した。


 俺は勢いよく立ち上がる。


「ありがとうございますドロウ先輩! それでは俺はこれからちょっとお仕置きをしないといけないので」


 俺がそう言うとドロウ先輩は困ったように笑う。


 どうやら俺がお仕置きしようとしている人が分かったのようだ。


「まぁほどほどにしておけよ」

 

 ドロウ先輩が止めることはなかった。


 どうやら先輩も今回は流石にダメだと思ったのだろう。


「それじゃあ言ってきます」


 俺はドロウ先輩と別れ【魔力感知】を発動させる。


「さぁお仕置きの時間だ。覚悟しておけよ…………イリア校長」


 俺は移動を開始した。






♦︎♦︎♦︎






 俺はイリア校長がいる、第1闘技場の教師観戦室に勝手に入る。


 入るとイリア校長と教頭がいた。


 俺は自分が出来る最高の満面の笑みで話しかける。


「イリア校長、教頭。どうして他の教師は襲撃者の対応に追われているのに、教師のトップである貴方達が何もしていないんですかね?」


 教師が俺を見てものすごく怯えている。


 どうやら殺気が隠しきれていなかったみたいだ。


 まだまだ修行不足だな……もっと感情を制御できるようにならないと……。


 今後の課題を見つけたが、取り敢えず今は目の前のことだ。


 目の前では教頭が顔を真っ青にしており、イリア校長も顔は笑顔でも汗をダラダラかいている。


「私たちは報告を聞くだけでいいんだよ」


 イリア校長がそんなアホなことをぬかすではないか。


「しかし現状では生徒が戦っています。教師である貴方達が戦うのは当然かと。しかしそれを放棄するなら…………」


 俺は一旦言葉を切り、2人に『皇帝』の時に出したのと同じくらいの殺気を浴びせる。


「あんたらは教師失格だ。さぁこれからお仕置きを始めよう。生徒が教師にするのはおかしな事だが、まぁあんたらが悪いよね?」


 俺は【精密感知】と【身体強化】を2500%で発動する。


「シッ!」


 俺は一気に加速して教頭に腹パンをする。


「ぐぼはっ!?!?」


 教頭は防御する間も無く吹き飛ばされて星になった。


 なんか『キラーン』て言う効果音が聞こえてきそうだ。


 俺はイリア校長の方に顔を向ける。


「イリア校長も少々お遊びが過ぎたんじゃないですか? 貴方なら襲撃者が来ることくらいわかっていたでしょう?」


 俺がそう言うとイリア校長は満足げに頷く。


「そうよ、その通り。私はわざとこの学園に誘い込んだの。まぁ生徒があの注射器を持っていたのは予想外だったけど……」


 俺はそれを聞くと無言で《魔銃ペネトレーション改》を放つ。


「うわっ!? いきなり何するのよ!」


「チッ、避けられたか」


 あれなら当たると思ったんだけどな。


 流石世界四強というわけか。


 俺は少しの感心とイライラを感じた。


「やっぱりイライラするのでイリア校長には、俺のストレス発散に付き合ってもらいます! ついでにお仕置きです!」


「アルト君!? 君、目的と私情が反対になっていないかい!?」


「やかましい! とっととくたばれ! 例え超絶美人だとしても俺は顔面を蹴れるぞ! 男女平等万歳!」


 俺は銃を収めて顔面に向かって蹴りを入れる。


 しかしこれも回避された。


 そしてイリア校長が【ファイアボール】【ウォーターボール】【アースバレット】を三重展開トリプルキャストで放ってくる。


 しかし今の俺には速度不足だ。


 俺は全てを拳で打ち落とす。


 だがいきなり三重展開は大人気ないので。


「世界四強が生徒に魔法を撃っても大丈夫なんですか~?」


 俺がそう煽ると、イリア校長がキレた。


「反撃しないと私がやられるじゃない! …………もしかして無抵抗の超絶美人を攻撃するのが趣味なのかな? アルト君は?」


 …………こんな挑発に乗ってはダメだ。


 落ち着け、落ち着け……。


「もしかしてアルト君って、特殊性癖持ち? ならごめんね? 私は付き合えないわ」


 はい、プッチーン。このババアぶっ飛ばす。


 俺は呆気なくキレました。


「上等だこの美人のフリしたクソババアが! それに俺は特殊性癖など持っていない! 長年の恨みを込めて必ずボコボコにしてやる!」


「出来るもんならやってみなさいよ! これでも私は世界四強なんだから! それに私はババアじゃないわよ! それに私達会ってそんなに経っていないじゃない! あんたの方こそ返り討ちにしてあげるわ!」


 そうお互いを罵り合いながら、本気で激突した。

 

 被害?そんなもの全てイリア校長のせいにすればいいんだよ。


 俺は全ての罪をイリア校長になすりつけることにした。



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はい、完全に作者の休憩で書きました。

やっぱりふざけるのって楽でいいや。

次はもう少しちゃんと書きます。

ふざけて申し訳ありませんでした。

まぁ全然反省はしていませんが。


 この作品が面白い!まぁいいんじゃない?アルトとドロウ副会長のコンビが見たい!などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!

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 ではではまた次話で。

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