第3章 学園対抗戦

第51話 学園対抗戦に向けてのチーム決め

 第3章開幕!!


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 襲撃から1ヶ月が経ち、学園に平穏が訪れたある日。


 いつも通り授業を受けているとバナー先生がこんな事を言う。


「そう言えば1ヶ月後に学園対抗戦があるから、この後全生徒の中で選抜チームを決めるから第1闘技場に集合しとけよ」


 そのまま教室を出ていくバナー先生。


 いや急すぎないか?


 と言うかまず学園対抗戦って俺が想像しているもので大丈夫なのか?


 俺がそう思ってサーシャに言おうとすると。


「そう言えばそっか、もうそんな時期なんだ……。私入れるかな?」


 ……どうやら知っているようだ。


 他のクラスメイトも『今年は無理だ』『僕は大丈夫かなっ!』などと言い合っていた。


 あっ……知らないの俺だけですか……?


 俺はサーシャに聞こうとする。


「なぁサーシャ、あのさ」


「ん?どうしたの?」


「あの学園対抗戦って……」


「アルト知らないの?」


 そう言ってサーシャは『そんな当たり前のことを知らないの?』と言う目で見てくる。


 や、やめてくれよ……なんか俺が異常みたいじゃないか……。(正解)


 なんかこれを聞くと馬鹿だと思われそうなので、前世のラノベ知識を使い、必死に知ったかぶる。


「おお、勿論知っているぞ?学園対抗戦だもんな。他の学園と戦うんだろ?選抜チーム作って」


 俺がそう言うと、サーシャは『そうだよ』と言っていた。


 あっ……合ってるのね……。


 なんかテンパって損した気分。


 俺は墓穴を掘らないようにするのと、詳しい情報を知るため急いで第1闘技場に向かった。





♦︎♦︎♦︎





 第1闘技場につくと、もう既に先輩達は集まっていた。


 どうやら俺達が最後のようだ。


 うっ、人が多すぎて【精密感知】に反応が多いから頭痛くなるな……。


 俺は【精密感知】を解除してサーシャに言う。


「サーシャ~連れてってくれ」


 自分でなんとも情けないことを言っていると思う。


 だがサーシャは文句も言わず連れて行ってくれた。


 ああ、なんて優しいんだ……サーシャから神々しい光が見える気がする。


 まぁ実際は誰も見えないけど。


 うーん、たいして不便じゃないと言ったけど、結構不便だな……。


 俺はそう思っていると、周りの生徒達が騒がしくなってきたので、どうしたのかなと思っていると、サーシャが耳打ちしてくれる。


「今校長先生が来たよ。多分これから決めるんだと思うよ」


 なるほど……選抜チームの発表か。


 イリア校長が拡声器を使って話し始める。


「これから学園対抗戦の選抜チームを決めよう!」


 生徒から歓声が上がる。


 いやなんでそんなにみんなテンション高いんだよ……。


 俺は全くついていけないんですけど……。


「それではまず選抜戦を始めよう!1年生は私が言う人のみ参加可能よ!まず、サーシャ・フォン・ドラグーン」


 おお、サーシャが選ばれたか……。


 まぁ1年生の中ではトップクラスに強いもんな。


 周りの生徒もこの人選には賛成らしい。


 イリア校長が次の人の名前を呼ぶ。


「ソフィア・ゲイル、アーサー・ブリッツ、ブラッド・フィジー、アイカ・アマノ、そして……」


 その瞬間俺はものすごく嫌な予感がした。


 絶対イリア校長は悪魔の笑顔を浮かべている気がする。(正解)


 ……よし、逃げよう。


 俺は【魔力感知】を発動して逃走の準備をするが、サーシャが手を離してくれない。


 ヤバい、ヤバい。


 ここに居たら必ず面倒くさい事に巻き込まれる!


 そして俺の嫌な予感は的中した。


「最後に【不適合者】アルト・ガーディアン。……以上が今回の参加可能な1年生だ」


 おい、【不適合者】は事実だけど余計だ。


 わざわざ言わなくてもいいだろ。


 そのせいでさっきから、クラスメイト以外のほぼ全ての人が俺の方を凝視し出した気がする。


 これは目が見えなくてよかったな……。


 だって目線に『なんでお前が』とか『とっとと辞退しろ【不適合者】が』みたいな圧を感じるだもの。


 いや怖すぎだろ。


 そんなに参加権欲しいならあげるから殺気を放つのやめてくれよ。


 それにイリア校長、絶対こうなることを狙ったろ。


 俺は見えていない目でイリア校長がいるであろうところを睨む。


 すると誰かわからないが上級生の男子がイリア校長に反対する。


「待ってください校長先生!なぜこのような【不適合者】が選ばれるのですか!それに今この【不適合者】は目が見えないらしいじゃないですか!」


 まぁ知らない人から見れば【不適合者】が選ばれるのは確かに異常だし、それに目が見えないのに参加権があるのって確かにおかしいよな。


 だからわからないこともないけど、よりにもよってイリア校長に噛みつくなよ。


 絶対に俺にとばっちりが来るんだから。


 俺がそう思っていると。


「ならそれも選抜戦で試してみれば良い。もしアルト・ガーディアンに勝てたら、必ず選抜チームに入れてあげよう」


 ほらな!やっぱり俺にとばっちりが来たじゃないか!


 もう見えてなくてもわかるくらいに敵意の視線を感じる。


 俺はイリア校長を本気で銃で撃とうか迷ったが、何とか踏みとどまった。


 偉いぞ俺。


 俺が自分を褒めているとイリア校長が。


「それじゃあ今からアルト・ガーディアンとカマセ・モーブの戦いを始めよう」


 え?今からですか?


 いくら何でも早すぎじゃないか?


 それにカマセ・モーブって……。


 絶対にゲームだったら主人公にはじめに噛み付いてボコボコにされる人の名前じゃないか。


 どうしよう……【魔力感知】で見てみても俺のクラスメートのほうが強そうなんだけど……。


 と言うか、よくその実力でイリア校長に噛み付いたな……。


 名前にピッタリじゃないか。


 まぁさっさと終わらせよう。


 そして後で必ずバラン国王に、イリア校長の悪行をチクってやる。


 そう決意して、俺は再び【精密感知】を発動して結界の中に入った。


 

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1話しか出ないキャラの名前を考えていたらいつの間にかあんな名前になってました。

次回は連戦です。

アルトの強さが学園中に知れ渡ります。

俗に言う成り上がりです。

お楽しみに!! 


 この作品が面白い!まぁいいんじゃない?アルトとドロウ副会長のコンビが見たい!などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!

 また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などを頂けると作者の励みになります。

 ではではまた次話で。

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