第41話 序列戦と動き出す襲撃者達①

 ドロウ副会長が訪ねて来てから1ヶ月経ったが最近は面倒事のない楽しい学園生活を送っている。


 あ、そう言えばハンクとの決闘は結局俺がボロ勝ちした。


 その後ハンクが1週間ほど休んでいたので、俺に負けたから不登校になったのかなと思ったら、どうやらドロウ副会長と両親に1週間ずっと怒られていたらしい。


 そのせいなのか学園に来た瞬間、俺に謝りにきた。


 その時の話し方が変わりすぎててびっくりして大して謝罪は聞いていなかったが。


 だってハンクの奴、登校して俺を見つけたら、一目散にこっちにきて。


『この前はごめんなさい!俺が全て悪かったです!俺は心を入れ替えました!これからはしっかりと魔法の練習をしていきたいと思います。なのでこれからは良きライバルとしてよろしくお願いします!』


 と言って来たんだぞ。


 俺にずっとタメ口だったくせに、急に俺も合わせた全てのクラスメートに敬語になっていたし。


 一体どんなふうに怒られたのか気になったが、なんだかヤバそうだったので聞いていない。


 だってあんなに性格悪かったやつがたった1週間であそこまで変わらないだろ普通。


 それが変わったどころか別人みたいになってるし。


 髪もいつのまにか坊主になってるんだけど。


 まぁ一応ハンクとは仲直りした。


 始めは俺も含めて、猫被っているんじゃないかと監視していたのだが、道に困っていた平民の人を優しく目的地まで連れていっていたことで誤解は解けることに。


 と言うかなんならクラスでも人気になっている。


 まぁあいつ顔は良かったしな。


 そして今は授業中だ。


 なんの授業かと言うと、戦闘に関しての知識や常識と言ったものである。


 ほんと家の親はダメダメで全く参考にならないのでこの授業はありがたい。


 そんなこんなで授業が終わると、バナー先生が入れ替わりで入ってきた。


 そして話し出す。


「よしお前たち、これから授業の一環として、上級生の序列戦を見に行くぞ!しっかり見ておけよ。自分達もやることになるからな!集合は第1闘技場だ。それじゃあなるべく早く来いよ」


 そう言って第1闘技場に行くバナー先生。


 へぇ……この学園に序列なんてものがあるんだな。


 ラノベではテンプレだから何となく分かるけど、実際に自分がやるとなるとやっぱり序列1位をとりたくなるよな。


 それに上級生がどのくらい強いのかを知るいい機会だし。


 そんなことを思いながら第1闘技場へと向けて歩きだした。





♦︎♦︎♦︎





 第1闘技場に行こうとしたんだが、又もや迷ってしまった。


 ふむ……集合時間まで後10分か。


 しょうがない、本当は学園で魔法を使うのは禁止らしいんだが、【魔力感知】を使うか。


 俺は【魔力感知】を発動してサーシャを探す。


 え……と………あっ、よしよし見つけたぞ。


 俺はすぐにサーシャを見つけたので【魔力感知】を解除しようとすると、闘技場に何人かの強大な魔力を持った者がいた。


 ん……?おかしくないか?


 そう、俺が感知した魔力は、生徒では絶対に持っていないほどの魔力を持っているのだ。


 まぁそうは言っても俺やイリア校長には敵わないけど。


 ただこの学園にあんなに強い魔力を持った人は、教師も含めて俺とリーン先生とイリア校長くらいしかいないはずなんだよな。


 それにちゃんとその2人の魔力はそいつらとは別に感知できているし。


 うーむ…………1、2、3……4人か。


 多分コイツらはこの学園の者じゃない。


 誰なんだコイツら?


 もし誰がが来るならバナー先生があらかじめ言ってるだろうし。


 こ言う時はラノベだと襲撃というのがテンプレだよな。 


 と言うことは全体が見れる場所にあいつもいるはず……。


 俺は【魔力感知】の範囲を広げる。


 ……やっぱりいた。


 でも多分俺だと2人までならなんとか対処できるけどそれ以上は無理だし、襲撃者を足止めしていると手引き犯が逃げちゃうから、取り敢えずバナー先生とイリア校長とリーン先生に気づいてもらうか。


 俺はイリア校長とバナー先生とリーン先生にだけ殺気を放つ。


 すると3人全員が俺の方に猛スピードで向かって来た。


 何と俺が殺気を放って10秒ほどで全員到着。


 イリア校長が怒りを浮かべながら俺に問う。


「アルト君どうことなの?何故私に……いえ、何故私とバナーとリーンにだけ殺気を放ったの?」


 うおっ怖っ!圧力がすごいんですけど!


 やめてくれよ……俺は生徒だぞ……。


 それにバナー先生もリーン先生も若干怒ってるし。


 俺は内心ビビりまくりながらも普段通りにを意識して質問する。


「ちなみに今日外部から誰か来る予定はありますか?」


 俺がそう言うとイリア校長とリーン先生は俺が言いたいことが分かったのか、怒りの表情から真剣な表情に変わった。


 ただ残念ながらバナー先生はついていけていないらしいが。


 バナー先生のことを無視してイリア校長が話を進める。


「それでそんなことを聞くってことは、何者かがこの学園の中にいるってことね?」


 俺は頷く。


 それを見たリーン先生が俺に問う。


「因みに何人なのですか?」


「俺が感知したのは4人です。もしかしたら他にもいるかもしれませんが……」


 俺がそう言うとバナー先生もやっと状況を理解できたらしいので、俺は話し始める。


「俺の見立てではほぼ間違いなく襲撃と考えていいでしょう。しかしあの4人だけではこの学園に入ることはできない」


 それに全員が頷く。


 そうなのだ、この学園は特殊な結界が張ってあって、入学試験の時以外は外部のものが無断で入ることは出来ない。


 と言うことは……。


 どうやらみんな気がついたらしい。


「この学園にその4人を入れた者がいると……」


「その通りです。なので俺とバナー先生とイリア校長で襲撃者を足止めするので、リーン先生が手引きした者を探してください」


 俺がそう言うとバナー先生が反対する。


「いやアルト、お前はダメだ。今回は俺たちの3人で何とかするからお前は何もするな」


 まぁ教師からしたらそうなるよな。


 それなら。


「なら俺は手引きをした者を探します」


 俺がそう言うとイリア校長が訝しげに俺に質問する。


「もしかしてもう検討はついているのか?」


 俺は力強く頷く。


「ええもちろんです。なので襲撃者の方はそちらに任せるので、手引きした者の捕縛は俺に任してください」


 俺がそう言うと渋々だが、みんな頷いてくれた。


 そして俺は襲撃者が第1闘技場にいることを伝え、先生たちとは別行動を開始する。


 さて、とうとう正体を表したな……。


 なかなか動かないから違うんじゃないかと思って焦ったじゃないか。


 手引き犯に八つ当たりをしながら、その手引き犯の元に【身体強化】を使いながら向かう。


 それじゃあとっとと終わらしてサーシャに褒めてもらおう。


 俺は更にギアを上げて目的地へと急いだ。


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一体手引きしたのは誰なんでしょうね。

と言うかアルトって普通に頭良くないか?

作者にもその頭があれば……。

と言うことで次回から戦闘シーンに入ります!

ドロウ副会長も出て来ますよ!

是非お楽しみに!

 この作品が面白い!まぁいいんじゃない?

ドロウ副会長の活躍が見たい!などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!

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 ではではまた次話で。

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