第28話 S級冒険者との戦闘(改)

 戦闘が開始してから既に5分が経っている。


 受験生は7人がかりでバナー先生に挑んでいるが、先ほどからバナー先生は余裕そうに捌いていた。


 とい言うよりは、遊んでいると言った方がいいかもしれない。


 これは……ほんとに予想外だな……。


 俺の近くに元S級冒険者が沢山いたからその人たちくらいだろと思っていたのだが、正直言って昔戦ったバラン国王より普通に強い。

 

 これが現役S級冒険者か…………。


 バナー先生の戦闘スタイルは、バラン国王によく似ているが、隠している力が国王とは比べ物にならない。


 バナー先生は大剣を片手で振り回しながら、受験生の攻撃を最小限の動きで回避、又は防御していた。


 そしてバナー先生は、相手の隙を絶対に見逃さない。


 現に受験生たちもB級冒険者並みの強さはあるものの、少しの隙で攻撃を受けている。


 すると1人の受験生が焦れたのかバナー先生に突っ込んだ。


 あーあ、これは1人脱落だな。


 俺が思った通り、受験生は剣で攻撃しようとするが、バナー先生大剣を横薙ぎし、吹っ飛ばしてしまった。


 その受験生は壁に激突し、気絶している。


 そこからどんどん脱落者が増えていく。


 俺はサーシャの方を見ると、少し驚いているようだった。


「サーシャ、どうだ?勝てそうか?」


「えっと……私だけだと絶対に勝てないよ。だってお父さんより強いもん」


 やっぱり国王より強かったか。


「ただ、私とアルトなら引き分けることはできると思う」


「ああ、俺も同意見だ。絶対に勝てはしないだろうが、引き分けには持ち込める」


「じゃあ頑張って引き分けよう!」


「そうだな」


 やはりサーシャもこの人の弱点を見つけていたか。


 まぁ多分、孤高の美少女さんも気付いてそうだな……。


「なぁ、そこの孤高な美少女さん。バナー先生の弱点分かったか?」


 あっやべっ。  


 つい孤高の美少女さんって言ってしまった。


「私の名前はソフィアって言うの。その孤高の美少女はやめてほしいわ」


「あ、はい。すいません」


 まぁそりゃやめてほしいよな孤高なんて。


 言い方変えればボッチだし。


「それとバナー先生の弱点はわかったわ。でもそれは私やサーシャ王女じゃ無理ね。貴方は接近戦できるの?」 


「大丈夫だ。これでも元S級冒険者並みの強さの人に格闘術を習っている。それに武器の持ち込みいいらしいし」


「なら、私とサーシャ王女で援護するから貴方は接近戦をよろしく。サーシャ王女は雷魔法を使って。私は風魔法を使うから」


「うん!わかったよ、ソフィアちゃん!」


「呼び方は今はそれでいいわ。それじゃあ他の受験生は終わったみたいだし、次は私たちの番らしいわよ」


 ソフィアがそう言うと、バナー先生がニヤリと笑いながら言う。


「その通りだ!さあ、かかってこい!」


「よし!サーシャ、ソフィア行くぞ!」


「うん!」「ええ」


 俺は《爆裂剣銃》を構え、【身体強化】を1000%で発動させる。


 更に、【精密感知】も発動。


「ほう……。これは少し本気を出さないとな」


 バナーはそう言うと、【身体強化】の出力を高めた。


 バナーの身体から魔力が溢れ出てくる。


 これは本当にやばいな……。


 ソバスよりも強いぞ。


 そう思いながらも、バナーの懐目掛けて【加速】を付与して突っ込む。


 そして突きを繰り出すが、大剣で受け止められる。


「アルトと言ったな!いい突きだ!だが俺には通用しない!」


 そう言って大剣を横薙ぎしようとするが。


「【ライトニング】ッ!」


 サーシャの雷魔法がバナーに飛来する。


 バナーは素早く攻撃をやめて回避した。  


 いや、あれ避けれるのかよ……。


 サーシャの魔法を避けたバナーは俺を探すが、既に俺はバナーの懐にいる。


 俺が今度は突きをすると見せかけて、引き金を引く。


「ぐっ!」


 見事命中。


 しかし、大したダメージにはなっていないようだ。


「流石にやるな。初めの奴らとは違う。よく観察しているじゃないか」


「ありがとうございます。できれば早く倒れて欲しいんですがね!!」


「それは出来んな!これでもS級冒険者なんでね!」


 そう言って再び横薙ぎをしてくる。


「【ウィンドカッター】ッ!」


 しかし今度はソフィアの風魔法に邪魔をされ、再び避けることになるバナー。


 そして今度はもう片方の手に《魔銃ペネトレーション改》を持ち、制限のギリギリの出力で撃つ。


 しかし今度は避けられる。


「ちくしょう!もう対応してくるのか!」


「素晴らしいが、それだけだと俺は倒せんぞ!」


 やばいぞ……このままじゃあジリ貧だな……。


 そう思った俺は、【身体強化】を1500%まで出力を上げ、【部分強化】で目だけを更に強化する。


「サーシャ、ソフィア!今から俺は本気出すから最大魔法の準備をしててくれ!」


「わかったよ!」「わかったわ!!」


 よし、2人が魔力を練り上げているな。


 それじゃあ俺は。


「バナー先生、向こうの魔法が完成するまで、俺と戦りましょうか!」


「楽しそうだが、俺は早くお前を倒して魔法使いたちを倒すとしよう!」


 バナーは素早く俺に接近すると大剣を物凄い速さで振り下ろしてきた。


 それを俺は【精密感知】で予測して回避する。


 すると大剣の当たった床が半径1mくらい陥没していた。


 あっぶねぇ……。


 あれ当たってたら絶対痛かったな。


 アルトは当たったら痛いと言っているが、普通の人があの一撃に当たったら間違いなく死んでしまうほどの威力がある。

 

 それを痛いと言えるアルトも規格外なのだ。


 まぁ本人は気づいていないが。


 その後も俺は、ヒットアンドアウェイを繰り返しながらなんとか時間を稼ぐ。


「アルト!終わりました!いつでも大丈夫です!」


「よし!思ったより早かったな!それじゃあバナー先生、俺はここらで退散しますね!」


「そうはいかん!どうせならお前を道連れにしてやろう!」


 そう言い【身体強化】を更に上げたのか、スピードが今までと違う。


 俺はあっという間に懐に入られ、大剣の横薙ぎをモロに受ける。


「ぐふぅっ!?」


 俺は吹っ飛ばされるが、結果オーライだ。


 バナーは自分の失態に気づいたのか少し焦りを見せ隙を見せると、それをサーシャたちが見逃すわけがない。


「【プラズマレーザー】ッッ!!」


「【ストーム】ッッ!!」


「はあああああああッッ!!


 サーシャの雷魔法とソフィアの風魔法がバナーに直撃するが、バナーは大剣に魔力を纏わせ、盾にする。


「「はああああああああ!!」」


「ぐあああああああああ!!」


 物凄い大きな爆発音が会場内に響き渡り、周りに砂埃が立ち込める。


 サーシャが言ってはいけないことを言う。


「どう!?やった!?」


 砂埃が晴れるとバナーは、大剣を盾にしたまま耐えていた。


「ふぅ……流石に危なかったな。だがこれで終わりだ…………ん?そう言えば、アルトという奴はどこに行った?」


 バナーは【魔力感知】で、俺に気づいたようだがもう遅い!


 俺は既にバナーの後ろに移動している。


 更に既に銃を《魔銃エクスプロード改》と《魔銃ペネトレーション改》を持ち替え、制限も解除して魔力も満タンだ。


「終わりなのはあんただ、バナー先生!!くたばれ!【真・オーバーレイ】ッッ!!!」


 2つの銃から巨大な光線が放たれる!


 バナーはもう無理だと思ったのか、防御していない。


 思わず全ての人が耳を塞いでしまうような『ドカン!』言う衝撃音が鳴り響く!


 そしてバナーを飲み込み闘技場の壁をも壊して消える。


 そしてバナー先生は気絶していた。


「勝者!アルト・ガーディアン、サーシャ・フォン・ドラグーン、ソフィア・ゲイル!!」


 審判の教師が叫ぶ。


 ……どうやら俺たちが勝てたようだ。


 ソフィアが居たからなんとか勝てたって感じだな。

 

 やっぱりまだ俺だけじゃS級冒険者には勝てないか……。


 それにまたやらかしてしまった……。


 そう、また壊してしまったのだ。


 もうそろそろ弁償した方がいいかなぁ……。


 俺は勝った喜びよりも居た堪れない気持ちの方が強かった。


 

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 戦闘シーン楽しいーー!!

 うまく書けてはないけど。

 もっとうまく書く方法が有れば是非教えてください!!

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