第27話 入学試験②(改)

 俺が会場全体からつっこまれると言う騒動が起きたが、その後はスムーズに進んだ。


 今回俺の後にも何人か魔力量が10000を超えている奴がいた。


 逆に魔力が700の奴がいたのだが、此奴は絶対に力を隠していると思う。


 だってこう言うのもテンプレじゃん?


 俺も暗躍系のラノベ好きだったなぁ……。


 この世界に来てからすぐに諦めたけど。


 残念なことに、俺に実力を隠す才能がなかった。


 何せすぐに【魔力視】使ってるのバレたし。


 まぁあの魔力量が低い奴は、要注意人物だな。


 まぁ同年代で俺より強い奴はなかなかいないけどね。


 ……ん?これってフラグ?


 そんなことないよね……きっと大丈夫……うん。


 そう思っておこう。


 さて次の試験は…………げっ。


 威力測定じゃないか……。


 最近【魔力弾】使ってないから加減できるかなぁ。


 銃よりは威力は強くないないけど、俺の化け物魔力で大分強化されてるから、的壊さないようにしないと。


 なんかまた緊張してきたな……。


 そう考えながら他の受験者を見ていると。


「ねぇサーシャ。みんな威力低すぎない?」


「えぇまぁ……」


 やっぱりサーシャも思うか……。


 だってみんな当たった時にぽすって音がしそうなくらい弱い。


「受験番号2855番、前に出てください!」


 ん?あの受験生は俺の魔力量を感じ取ってた奴だな。


 見た目は青髪のロングの孤高の美少女って感じ。


 あと確か魔力量が20000くらいで、俺の次に多かったな。


「【ストーム】」


 突如嵐が生み出され、轟音を立てながら的に当たる!


 へぇあいつも上級魔法が使えるのか。


 威力も申し分ないな。


 これはサーシャのライバルになれるぞ。


 それに女子だから俺も安心だし。


 サーシャに男を近づけたら面倒くさくなりそう。


 特にラノベで言うところの、決闘とか挑まれる気がする。


 それから特に凄い奴は出てこず。


「受験番号4580番、前に出てください!」


 サーシャが呼ばれ、前に出て行った。


 相変わらずサーシャになると周りがうるさくなるな。


「それでは魔法を撃ってください」


「【プラズマレーザー】ッッ!!」


 自分に圧力がかかったような音と共に、サーシャの放った魔法が的に当たり、的に穴が開く。


 おっとぉ先にサーシャがやっちゃいましたか。


 加減しろって言っておけばよかったなぁ。


 サーシャは魔力操作がうまいから、魔法に無駄が少ない。


 だから、どうしても威力が普通の魔法より強くなっちゃうんだよね。


 ただこれは別に言わないでもいいと思ってたけど、言っておけばよかったなぁ。


 俺が少し後悔していると、サーシャが戻ってきた。


 弁償などはなかったのか聞いてみると。


「『穴が空いた的は替えがあるので気にしなくても大丈夫です』って言われたの」   


 それは多分サーシャだからだな。


 何せ王族だし。

 

 ああ、後でその教師達は怒られるんだな。


 可哀想に。


 俺が教師に同情してると俺も呼ばれる。


「それじゃあ行ってくる」


「私が言うことじゃないけど、的壊さないようにね」


 ほんとにサーシャが言うことじゃないね。


 まぁ俺もやらかしそうだけど。


 めっちゃ弱くしたら当たらなくなりそうだし、強くしたら確実に壊すな。


  …………あれ?これ詰んでね?


 俺どうやっても、恥かくか壊して教師の印象が悪くなるの二択しかないじゃん。


「それでは魔法を撃ってください」


 しかし周りも相変わらず陰口多いな。


「あいつ、魔力量測定の時は多かったけど、この検査は無理よね」


「だってこいつ、無属性しか使えないから【魔力弾】って威力弱いしな」


「【魔力弾】じゃ無理でしょ」


 おいおい、俺の【魔力弾】舐めんなよ。


 少しイラッときた俺は、ついいつも俺が作った的に当てるくらいの力で撃ってしまった。

  

 サーシャが会場のみんなに叫ぶ。


「みんな!早く伏せて!」


 受験生はサーシャに言われ、よく分かっていないが伏せ出した。


 うん、もういいね。

 

 これ以上制御出来ないし。


「アルト~!思いっきりやっちゃってもいいよ~!」


 よし、サーシャからOK貰ったらからやっちゃいますか。


「【魔力弾】ッッ!!」


 先程のサーシャの魔法の10倍ほどの轟音を立てて、俺の放った【魔力弾】は的だけでなく、周りの物もぶっ壊して消えた。


 ふぅ……気持ちよかったなぁ…………。


 俺が満足していると、サーシャが言ってきた。


「アルト、終わりの合図しないと、みんな起き上がらないよ」


 あっそう言えば、今みんな伏せてんだったな。


「これで俺の試験は終わりです。これじゃあ弱かったですかね?」


「「「「「「「「「「んなわけあるかッッ!!」」」」」」」」」」


 魔力量検査に続いて、また全員につっこまれた。


「いや、ほんと面白いな」


 俺はみんなのツッコミに笑っていると。


「「「「「「「「「「面白いわけないだろうがッッ!!バカかッ!!」」」」」」」」」


 ほら、やっぱりハモってつっこまれた。


 もうみんな親戚かなんかかな?


 めっちゃ仲良いじゃん。


 今会場はカオスな状態になっていた。


 笑っている俺と、申し訳なさそうなサーシャ、伏せながらツッコむ受験生と教師達と、目的がわからない集団になってる。


 結局俺が壊しすぎたため、場所を移動して試験を再開した。


 みんな俺やサーシャ、孤高な美少女より強くなかったが。


 俺が要注意人物としている奴は、魔法もギリギリこの学校に入れそうなくらいの威力だった。


 ……彼奴力を隠すの上手いな。


 魔法を使う瞬間を【魔力視】で見たけど、全然不自然に魔力が多くなったりしなかった。


 さらに危険度を上げておこう。


 下手したら俺よりも強い。


 正直戦いたくはないけど。


 そうして魔法威力試験が終わり、いよいよ最後の教師との手合わせが始まった。 


 この試験は受験者の強さに合わせて会場が分かれるらしく、俺たちの所には10人しか残らなかった。


 しかしここには教師がいない。


 一体俺たちは誰と戦うのだろうか……。


 そんなことを思っていると【魔力感知】が強者の魔力を感知した。


「サーシャ」


「私も気付きました。この反応の人が私たちの手合わせの人でしょうか」

 

「きっとそうだろうな。ここに残っているやつは他の受験生より大分優秀な奴らだからな」


 そして少しすると俺たちが感知した人が入ってきた。


「おっ、今年は10人もいるのか!俺も楽しめそうだな!」


 あーなるほどね、この教師はバラン国王と同じ分類の人だな。


 戦闘狂のやつだ。


 やべぇ……戦いたくねぇ……。


「今回お前たちの相手をする、バナーだ!この学園の教師だが、一応S級冒険者でもある!手加減しようなんて思うなよ!!」


 やっぱり戦わなくちゃいけないのか……。


 それに、そんなに強者のオーラ出してる奴に手加減なんてできないでしょ。


「それじゃあ早速だがお前たち全員でかかってこい!」


「「「「「「「「「「は?」」」」」」」」」」


 流石にそれはびっくりしたな。


 だが正直言ってこれだけいれば勝てるぞ。


「サーシャ、始めはあまり動いたらダメだからな」


「え?どうして?」


「多分始めは他の奴らが行くから、邪魔になってしまう」


「なるほど……わかった!」


 サーシャが元気に返事をした瞬間、バナーが大声で言う。


「それじゃあスタートだ!!」


 そう言った瞬間、俺とサーシャと孤高の美少女以外が飛びかかった。


 さて、バナー先生がどれくらい強いのか観察するか。


 俺はバナー先生を注視する。


 するとバナー先生は、笑っていた。


「甘いな!若造どもよ!」


 そう言った瞬間、飛び掛かっていた7人が吹っ飛ばされた。


 これは…………強いな。


 俺は何か弱点がないか探すため、再び観察に入った。



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どもどもあおぞらです!

 次の話は戦闘ですよ!

 是非お楽しみに!です。


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 ではではまた次話で。

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