第2章 学園入学
第26話 入学試験①
第二章開始!!
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俺とサーシャの婚約発表から6年が経ち15歳になった。
さてこれまで俺はずっと家にいたが、これから5年間は魔法学校に通わなければいけない。
正直に言って前世では学校が大嫌いだった。
何故なら学校では常にボッチだったため、ペアを作るときなどが地獄だったからだ。
まぁ大体は友也とペア組んでたけど。
そのせいでさらにボッチになってしまったんだがな……。
悲しい過去を考えると、どんどん学校に行きたくなくなってきたのでこれ以上考えないようにする。
それに今世は俺の大好きな魔法を学べるわけだし、ボッチじゃないからね。
まぁ俺が魔法習っても無属性以外使えないけど……。
だかしかし、学校で鍛錬することでこれ以上我が家の庭を破壊しなくて済む。
学校はまぁバラン国王がなんとかしてくれるだろう。
しかし、学校はこの国だけでも10校以上あり、その人その人に合った学校に試験を受けに行って合格しなければならない。
まぁ前世で言う高校受験とほぼ一緒だな。
ちなみにこの世界の試験は、筆記試験、実技試験を受けて成績順に合格が決まる。
実技試験がラノベのテンプレみたいなやり方だったら、教師との手合わせ以外やばいな。
だって撃てるの魔力弾しかないし。
正直手合わせだったらそこらへんの教師ならボコボコにできる。
なぜなら、俺に格闘術を教えてくれてたソバスは、S級冒険者並みに強かったらしく、そんな人と毎日特訓してて負けたらダサいなんてものじゃないからな。
そして今回俺が入ろうとしているのは、王立魔法学園と言う1番難しい学校である。
俺がここにする理由は、サーシャがここに通うと言っていたからだ。
まあ、やっぱり婚約者と同じ学校がいいじゃん?
じゃないと俺の念願のイチャイチャ学園ライフが過ごせないからな。
と言うことで今、家に来ていたサーシャとアナと一緒に向かっている。
俺はそこまで緊張していない。
まぁこれでも前世で受験を成功させたからな。
そのおかげで俺はリラックスできているが、サーシャはまぁまぁ緊張している。
俺はサーシャに話しかけてみた。
「ねぇサーシャ?」
「は、はいアルト。な、なんですか?」
うん結構重症だな。
いつもは俺にタメ口なのに思いっきり敬語出るし。
「なんでそんなに緊張してるんだ?」
だってそうだろ?
サーシャは、俺なんかより才能あるし。
なんならアナ並みに才能があるから、俺に分けて欲しいくらいだよ。
そしたら魔力切れ地獄を味合わなくて良くなるし…………。
未だに毎日やっているが、昔思った通り、全く慣れない。
もっと才能あればあれほどやらなくてもよかったんだけどな。
「大丈夫だって。サーシャは俺なんかよりも才能あるから。もう中級魔法はとっくに使えるんだろ?」
「今上級魔法が何個か使えるようになりました」
ほら、やっぱりめっちゃ凄いことしてるじゃん。
するとアナが横から口を開く。
「サーシャ様が落ちるような学校でしたら、学校とは呼べません」
本当そう思うよ……。
サーシャ落ちたら冒険者階級で言えばB級以下は、全員落ちることになってしまう。
この年でそんなに強い奴はほぼいない。
「まぁサーシャは余裕だよ。頭もいいしね」
そう、サーシャはめっちゃ頭がいいのだ。
俺と同じ問題やってほぼ一緒の点数なんだよ。
こちとら前世の記憶をフル活用してるってのにさ。
「…………そうだね!私が頑張ればきっと受かるよね!」
どうやら吹っ切れたようだ。
うん、やっぱりサーシャは笑顔の時が1番可愛い。
ん?勿論サーシャには言わないよ?
だってなんか引かれそうだし(自分の顔を思い出せ)。
第一俺がヘタレなんだから。
…………ダサいな。
なんとかこの学園生活の中でヘタレを治そうと思った。
♦︎♦︎♦︎
特急馬車で移動すること6時間。
やっと学園に到着した。
馬車に乗っていた俺たちのテンションは低い。
なぜかと言うと。
「「「………痛い……」」」
お尻がめっちゃ痛い。
特急だったこともあり、揺れがすごかった。
俺達は【部分強化】で三半規管を強化したおかげで乗り物酔いにはなっていないが、座席が固くて痛いのだ。
だがこのままだと試験に支障が出るので、アナの回復魔法で治してもらった。
俺とサーシャは、アナと別れて受付に来ている。
「ようこそ王立魔法学園へ。入学試験の手続きですか?」
この学園の上級生であろう女子生徒が聞いてくる。
「「はいそうです」」
「ではこちらに記入をお願いします」
そう言って手渡されたのは受験票みたいなものだった。
そこに自分の名前と属性を書いて提出する。
「えっと……アルト・ガーディアン!?てことはこっちは……やっぱりサーシャ様!?」
どうやら俺たちを知っていたらしい。
「そそそれでは、これで受付完了なので、がが頑張ってください!」
「ありがとうございます!!」
そう言って学園の中に入る。
するとサーシャが話しかけてきた。
「あの人いい人だったね」
「ああ、初めからちゃんとした態度でしていたしね」
今度学園内であったら話しかけてみよう。
そんなことを思いながら会場に入る。
そこには既に10000人以上の人が集まっていた。
今回の定員が500人だから、倍率がめっちゃ高いな……。
まぁ俺たちは大丈夫だろうし余り気にすることでもない。
そしてそれから20分後に筆記試験が開始した。
正直に言って楽勝すぎて時間が物凄く余ることに。
サーシャは何回も見直しをしていたらしいが、俺は1回見直しをするとすぐに寝た。
そしてとうとう次は実技試験だ。
始めは、ラノベのテンプレである魔力量検査だった。
次々と測られている。
今のところ平均3000くらいだ。
俺はこれが凄いのかわからないのでサーシャに聞いてみる。
「ねぇサーシャ。魔力量3000って凄いの?」
「えっ?も、勿論!普通の魔法使いは2000前後だよ?まだ子供なのに3000もあるのは十分凄いんだよ?」
…………なら俺ってどうなるんだろう。
正直、魔力量3000の奴の200倍くらいあると思うんだけど
大丈夫だよね?
測定不可とかになったらやばいじゃん。
俺が別の意味で緊張していると。
「受験番号4580番測定器の前に来てください!」
サーシャが呼ばれた。
「頑張ってこいよサーシャ」
「勿論!アルト以外には負けないようにするよ!」
そう言って測定しに行ってしまった。
サーシャが測定器の前に行くと受験生達がざわざわし始める。
やっぱりみんな知ってるよな。
「なぁ、あの人ってサーシャ王女だよな」
「サーシャ王女ってあんなに可愛かったのね」
「サーシャ王女は、王族でも群を抜いて天才らしいぞ」
凄いな、一気にサーシャの話題しか話さなくなったな。
みんなが注目する中、サーシャが測定器に手を置く。
すると。
「ま、魔力量16000…………す、素晴らしい!」
さらに会場がざわつく。
まぁ一気に今のところ魔力量1位だからな。
サーシャは一目散に俺の所へ戻ってきた。
「どうだった?凄いでしょ!!」
俺に褒めて欲しそうに上目遣いをする。
「うっ…………うん凄いな」
俺は恐る恐るサーシャの頭を撫でると、えへへと言いながら笑顔になったので、安心する。
よかった……これで拒否されたら俺は死んでたな……。
「受験番号4581番測定器の前に来てください!」
おっ呼ばれたな。
「頑張ってね、アルト!」
「まぁほどほどに頑張るよ」
俺が測定器の前に立つと周りの受験生は。
「出たぞ、【不適合者】の貴族の面汚しが」
「なんで【不適合者】がここにいるのかしら?」
うーん、サーシャとは真逆だな。
サーシャの方を見ると頬を膨らませて怒っていた。
サーシャは優しいなぁ……。
それにひさしぶりに【不適合者】なんで聞いたな。
最近全く聞いてなかったし。
「そそ、それでは測定器の上に手をお、置いてください」
へぇ……この先生は俺の魔力量がわかるようだな。
受験生にも俺の魔力量を見抜いてる奴いたし。
あいつらは将来有名になるだろう。
俺は測定器の上に手を置く。
そして魔力を送り込む。
測定器が測った数値はと言うと。
「なっ!?魔力量600,000!?そんなバカなっ!?」
測定を担当していた教師が驚きの余り椅子から落ちる。
周りがざわつきだした。
俺を【不適合者】と侮っていた奴らは、『不正だ!』と騒いでいる。
よし、ここで俺が言いたかったことが言えるぞ。
俺は測定担当の教師に向かって口を開く。
「えっと……俺何かしちゃいましたかね?」
「「「「「「「「「「めっちゃやってるわ!!」」」」」」」」」」
会場全体からつっこまれた。
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それでは二章開始です!
最後の言葉をどうしてもアルトに言わせたかったので、言わせました。
作者、満足です。
この作品が面白い!まぁいいんじゃない?などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!
☆☆☆→★☆☆でも作者は物凄く喜びます。
また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などを頂けると作者の励みになります。
ではではまた次話で。
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