第17話 俺に天使な婚約者が出来ました①
俺がアルトに転生して8年が経つ。
4歳の頃よりも身長が伸びて今では132cmまで成長し、魔力量も2.5倍くらい増えた。
そして、魔法もだいぶうまくなっている。
今では【身体強化】が1200%まで出力を上げれるようになり、【魔力探知】も半径15km以内なら正確に探知できるようにまで上達した。
そして5歳から格闘術を習っている。
これは俺が近距離戦が弱点だと気がついたからだ。
俺は普段銃しか使っていないため、中々近距離戦をすることはないが、昔の俺が出会ったゴブリンキングのように銃弾を食らってもきかない相手に接近を許してしまうと、自分は高確率で死んでしまいそうだからな。
この世界でもあっけなく死ぬなんてことにはなりたくない。
なので今必死に練習している。
そして俺の銃たちは《魔銃ペネトレーション改》と《魔銃エクスプロード改》の他に大砲を作った。
まだ名前は決めていないが、しっかり完成している。
モンスターとの戦闘時に、遠距離から一方的に高火力をお見舞いできるので、初めて使ったときはテンションがハイになってしまって暴走してしまった。
あの時ははじめてアナに怒られたなぁ。
やはり俺の予想通り、アナは怒ると母さんみたいに後ろに何かが見えてきた。
怒っているときのアナはめっちゃ怖かったなぁ。
怒られている途中は汗が止まらなかった。
だからあんまり大砲は使ってない。
そういえば我が家の新しい家族であるシルファは今あと少しで4歳になる。
俺は生まれたばかりのシルファを見たが、ひと目見ただけでシスコンになってしまうくらいの可愛さだった。
そして今ではその可愛さに磨きがかかっている。
ん?おっ話をすれば、シルファがこっちに向かってきているではないか。
しかも走ってくるなんて……そんなにお兄ちゃんと一緒に居たいのか……なんていい子なんだ我が妹は。
そんなことを思っていると扉が開いて我が妹シルファが入ってきた。
シルファは、きれいな碧眼に肩よりも少し長いくらいの銀髪の超絶かわいい女のこだ。
「おにぃちゃん!シルと一緒に魔法を練習しよ!!おにぃちゃんに教えてもらったらうまく出来るの!!」
な、なんて可愛いこと言う子なんだ…… は……おにぃちゃん倒れちゃうぞ。
「倒れないでくださいよアルト様。倒れるたびにシルファ様が泣いて大変なんですから」
しれっと俺の心の中を読むなよ、アナは。
「大丈夫だって。シルに泣いてほしくないし、アナにはなるべく心配かけないようにするから」
俺がそう言うが、まだあまり信じられないのか微妙な顔をしていた。
…………たしかに自分で言うのもなんだけど、俺の大丈夫って信用できないな。
いつも大丈夫って言いながら気絶したりぶっ倒れたりしてるもんな。
なんだか急にアナに対して罪悪感が……。
「ごめんねアナ」
俺がいきなり謝ったからか、びっくりした顔になっている。
「あ、アルト様?どうしたんですか急に」
「いや普段からたくさん迷惑をかけているなと思ったので……」
俺が目をスッと横に逸らして理由を言うと。
「わかっているなら気をつけてください」
と言われてしまった。
「わかりました……」
多分無理だけど。
これからもアナには迷惑かけますね!
心の中で謝罪しとこう。
すると俺とアナの話が終わるまで黙って待っていたえらいシルは、待ちきれなくなったのか可愛く催促してきた。
「おにぃちゃん!早くおにぃちゃんとやりたいな?」
「よし、わかった!それじゃあ庭に行こうか!」
「うんっ!レッツゴー!!」
レッツゴーと可愛く腕を上げるシルは最早人間じゃないくらい可愛かった。
「顔が緩み過ぎていて、少し気持ち悪いですよ」
アナよ…………そんな事言ってくれるな。
いや自分でも今気持ち悪い顔してるなって思ったけどさ!
それを周りの人に見られるのは恥ずかしいな……。
これから人前ではポーカーフェイスを維持しようと決めた俺だった。
♦♦♦
シルと魔法の練習をして、いつのどおり魔力放出と【魔力吸収】をしているとアナが俺を呼びにきた。
「アルト様、もう夕食ですよ。それにジーク様とルナ様からお話があるそうです」
ん?俺に話?今回は何もしてないからなんのことか分からんな……。
まぁ行けばわかるか。
「わかった。すぐに行く」
俺は【魔力吸収】をやめて、急いでみんなが待つリビングに向かう。
俺が着くともうみんな座って待っていた。
「遅れてすいません」
「いや大丈夫だ。アルトのことだから鍛錬してたんだろ」
「はい」
「えらいわね~家の子供達は!シルファも魔法の練習してるんでしょう?」
「うん!おにぃちゃんとしてるの!」
「なら、仲良しね!今度ママも混ぜてほしいなぁ」
「うんいいよ!一緒にしよ!」
母さん……しれっと俺らの練習に参加するなよ。
さらに俺に聞くんじゃなくてシルに聞くのはタチが悪い。
俺に拒否権ないじゃないか。
母さんが参加すると毎回わちゃわちゃして大変なんだよな……。
あっそう言えば。
「僕に話ってなんですか?もしかして婚約話ですか?」
「ん?よくわかったな。誰かに聞いたのか?」
やっぱりか……。
ラノベでは大体このくらいの年齢で婚約者できるもんな。
前世で彼女が一度もいなかった俺に婚約者なんて荷が重くないかな?
まぁ絶対に断らないが。
「いえなんとなくです。それで、その子との顔合わせはいつですか?」
これでシルの時みたいに明日とか言いやがった時には思いっきり叩こう。
「今回はちゃんと早めに言っておく。来週だ。来週相手が家に来てくれる。相手側の親と俺たちは仲が良くてな。子供ができたら結婚させようと約束していたんだよ」
めっちゃテンプレな話だな、子供を結婚させようなんて。
「ちなみにその子は、サーシャ・フォン・ドラグーンと言って、とっても可愛い子だぞ!良かったなアルト!」
サーシャ・フォン・ドラグーンね……その子って王族だよねきっと。
「父様、そのサーシャ様は王女様ですか?」
「そうだぞ!とても優しくて真面目な子だからきっとアルトにも合うと思うぞ」
正直言ってめっちゃ嬉しい。
俺前世の記憶持ちだから、王女って言われてもそんなに驚かないし。
なんならシルファが生まれる時の方が驚いた。
あの時はほんとに取り乱したからな。
俺の黒歴史だ。
しかし俺に婚約者か……会うのが楽しみだな!
めっちゃ可愛いくて優しいらしいし。
本当にそんな人間いるのか知らないけど。
まぁ会ってみないと分からないことばかりだな。
俺は婚約者が来るのが待ち遠しくなった。
だってはじめての恋人になるわけだし?
しょうがないよね!
これで俺と同じように猫かぶっていませんように!と神様にお願いしておいた。
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