第24話 隣の領の領主にカチコミに行く②(改)
俺とアナが騎士を相手して5分が経ち、50人と言われていた騎士はもうすでに10人程まで減っている。
正直に言って……めっちゃ雑魚かったっすわ。
もうね、少し殴ったら吹っ飛んでいくし、すぐ大声上げるしでお前ら本当に騎士か?と思うほど弱かった。
俺はラノベでは勇敢な騎士が好きだったから、こいつらには騎士を語ってもらいたくないね。
だから俺は容赦なくぶっ飛ばしてやった。
だがアナの方が凄い。
何がすごいかって言うと、狭い部屋の中での魔法の使用は難しいはずなんだけど、なんか闇魔法で無双してる。
影から手が伸びてきて相手を取り押さえてた。
『『『『『こっわ、あいつめっちゃ怖い…………』』』』』
多分今俺と敵の騎士達と考えたことは一緒だと思う。
だってめちゃくちゃ強いんだが、その分めちゃくちゃ不気味なんだよ……。
「【シャドウハンド】ッッ!!【シャドウスラッシュ】ッッ!!」
あたりに聞き慣れた爆発音が鳴り響く。
「うわあああああ!!化け物だあああ!!」
「く、くるな!やめてくれええええ!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
ほらもう相手にも化け物って言われてるじゃん。
最後の奴なんて精神がぶっ壊れてるし。
そいつは筋肉ムキムキのおじさんだぞ。
気の毒に……。
敵のはずだが流石にやり過ぎではないだろうか。
あれなら多分本人はそのうち死んでしまうぞ。
これ以上アナの犠牲者が出ないようにするために早く指揮官倒さないと……。
俺は指揮官らしき人の所まで、一時的に【身体強化】を1000%にして突撃する。
「なっ!?は、速っ「まあまあパンチ!」ぶべっ!」
隊長らしき騎士が吹き飛んでいく。
「なっ……た、隊長がやられたぞ!」
「なにっ!?なら俺はもう逃げるぞ!こんな場所にいたら死んでしまう!それに死ななくても頭がおかしくなる!あのシュールみたいにな!」
俺が指揮官を殴り飛ばしたため他の騎士は次々と逃げ出した。
あの永遠にごめんなさいを言っていた騎士は、シュールって言うのね。
ほんとに
俺は心の中で謝っておいた。
そうしているうちに、死んだふりをしていた騎士まで逃げていく。
……騎士なのに死んだふりしてたのかよ……。
意外と強かだな……。
この世界の騎士のしぶとさを知り、不覚にも少し尊敬してしまった俺は、逃げていく騎士に追撃をかけようとしているアナを止める。
「アルファ!もう追わなくていい!!これ以上やったら、ただのいじめだからッ!!」
「…………主様が言うのなら仕方がありません。これでやめておきます」
あ、危ねぇ……これで俺が止めれなかったら地獄絵図が完成してたぞ。
よく頑張った俺。
自分を褒めるのも程々にして先に進む。
2階に行くと誰もいないし部屋に灯りもついていなかった。
まぁそりゃそうか、あんだけ暴れればこうなるか。
2階に何か機密の情報がないかアナと手分けして探す。
しかし2階にはなかった。
うーんここにあると思ったんだけどなぁ。
俺がそう言っている場所は書斎だ。
普通ならここが1番隠されていそうだよな。
そう思い探し始めて20分が経ち、俺はと言うと。
「……ないじゃないか、ボケがああああ!」
今アナがいないのをいいことに暴言を吐きまくっていた。
だってこう言うのってラノベだと書斎って定番でしょ?
こう言う時だけテンプレじゃないのはやめてほしい。
めちゃくちゃ無駄な時間になったから。
もう情報集めるのやめて、領主だけぶっ飛ばしに行くか。
俺はアナを探し始める。
アナはすぐに見つけることができた。
しかしアナを見ると、俺は膝から崩れ落ちそうになる。
なんと俺があれだけ探しても1つも見つからなかった機密の情報の書かれた紙を、大量に両手に抱えていたのだ。
えっ……ほんとに俺のあの時間はなんだったんだ?
「ちなみにそれは何処にあったんだ?」
「え、これですか?これは普通に寝室の机に置いてありましたけど……」
………………へぇ。
俺はこの瞬間、前世の記憶が初めて使えないと思った。
やっぱり、色んなところを探すんだったな。
少し落ち込みながらも【魔力感知】の反応のある3階に上がる。
3階には一部屋しかなかった。
そこには明かりが付いていて中に人が5人いる。
誰だ?トルー領主の家族は4人のはず。
それにあれだけ五月蝿くしていたのに全く動いている様子がない。
俺はおかしいと思い【魔力視】を使ってみると、その部屋だけいい防音結界の魔道具を使われていた。
「ねぇアナ。ここに絶対いるよね?」
「いるでしょうね。それにさっきから思っていたことですが、トルー領主は頭が足りないようですね」
それは俺も思った。
多分俺よりも馬鹿なんじゃないかな。
そんなことを思いながらも一応【隠密】と【透明化】の魔法を俺とアナに使う。
そして俺は再び《魔銃エクスプロード改》を取り出して引き金を引く。
発砲音と共に扉が『バキッ』と言う音を立てながら破壊される。
俺の放った弾丸によって、防音結界ごと扉が破壊された。
俺とアナは急いで部屋に入り、中にいる奴らを無力化しようとするが、何者かに剣で外に飛ばされる。
吹っ飛ばされている途中にアナを見ると、しっかり魔法で領主共々捕縛出来ていた。
さすがアナだな……。
それじゃあ俺はこいつを倒すとするか……。
そう覚悟を決めた俺に向かって敵の騎士らしき奴が話しかけてきた。
「お前達は……何者だ?見た感じ強者だとわかるがこんなところになんのようだ?」
「俺はただあそこでびびっている領主にやり返しに来ただけだ」
俺がそう言うと、少し間が空いて再び口を開いた。
「……それは見過ごせない。あんな人間ではあるが、我らの上司だ。ここで見逃しては騎士の名折れだ!」
「そう言いながらも俺の仲間に捕まってるけどな、領主」
俺がそう言うと、一気に俺に殺意が向けられる。
おお……こいつは、バラン国王ほどではないが俺だと苦戦する相手だな……。
それになんかこいつかっこいい。
これだよこれ、俺が求めていた騎士の理想像は。
だが、俺はこいつに勝たないといけない。
「お前をすぐに倒して助けに行くから問題ない」
「言ってくれるじゃねぇか。俺が倒されるわけないだろ!」
「ふんっ!口だけじゃないといいがな」
「そう言うお前もな!」
お互いに挑発し合う。
その間にお互いに【身体強化】を発動する。
俺は初っ端から1300%だ!
そして俺は新しく作った銃剣を取り出す。
この銃剣の名前は《爆裂剣銃》だ。
ネーミングセンスに関してはね?
わかってるよな?
さて、これで準備が終わった。
それは相手も同じようだ。
お互いに剣を構え、
「「いざ!尋常に勝負!」」
2人同時に駆け出す。
相手も始めから全力のようだ。
俺と騎士が真っ正面から衝突する。
こいつ力強いな……!
お互いの剣と剣が当たり、金属が擦れる音がする。
そして互いにこのままでは拉致が開かないと感じ、後ろに下がった。
「どうやら口だけではないらしい」
「お前は思ったより強いな……ちくしょう!」
そんな軽口を叩きながらも相手の隙を窺う。
今度は俺から仕掛ける!
銃剣の引き金を引き発砲!
弾丸は一直線に騎士に向かうが避けられる。
そして騎士が俺のいた場所に目を向ける。
「なっ!?」
が、そこにはすでに俺はいない。
俺は撃ったと同時に接近していた。
俺は銃剣で袈裟斬りを繰り出す!
しかし俺の居場所を把握した騎士は剣で受け止める。
そしてまたつばぜり合いになってしまった。
「くそっ、今回は反応できないと思ったのに……」
「ふんっ、まだまだ甘いな」
そんなことは分かっとるわ。
俺は舌打ちをし、力ずくで相手を飛ばす。
そして【身体強化】を限界を超えて1500%に上げる。
すると相手が纏う魔力も上がった。
相手もさらに【身体強化】の出力を上げたようだ。
それから再び剣戟が始まる。
お互いに擦り傷や切り傷は増えているが、致命傷は受けていない。
お互いに一旦離れる。
すると騎士が口を開く。
「…………このままでは時間が掛かってしまう。次の一撃で決めさせてもらおう」
そう言ってさらに体から魔力が溢れ出し、剣に纏われる。
「そうだな俺もこの一撃で終わらせる」
俺は《爆裂剣銃》の制限を外す。
すると赤色のオーラが俺に纏わり付き、魔力を吸い始めた。
この間に【身体強化】が切れないように、【魔力吸収】で魔力を回復する。
そして魔力が溜まったら【身体強化】を1600%に引き上げて構える。
「待ってくれるなんて優しい奴だな」
「俺はお前に完全勝利したいだけだ」
俺は極限まで集中する。
そして【精密感知】も発動。
お互いに動かない時間が少し続き、近くで鐘がなる。
それを合図にお互いに技を繰り出す!
「これで終わりだ!【破斬】ッッ!!」
「くたばりやがれ!【爆速斬】ッッ!!」
お互いに接近するが、相手の技の方が早い。
「これで俺の勝ちだな!」
騎士がそう言って振り下ろした瞬間、俺はニヤリと笑う。
「勝つのは俺だ!」
そう言って魔力をさらに込めると、銃身部分が爆発して剣速が加速する!
風切り音と共に俺の攻撃が先に当たり、剣を持った方の手を切り落とした。
一方で相手の攻撃は、俺の肩を少し切り裂いただけだ。
相手の騎士が倒れる。
「はぁ……はぁ……なんとか勝ったぞ……」
俺は銃剣を杖代わりにして立つ。
「流石だな若き戦士、アルト・ガーディアンよ」
そう呼ばれた瞬間俺は固まってしまう。
「……な、なんでわかったんだ?」
「お前の事は有名だからだ。おかしな武器を使うとな」
マジで?俺ってそんなに有名だったの?
何もしてな……………くもないな。
国王と戦ったな、そう言えば。
それのせいか……。
次に会ったらぶっ飛ばしてやりたい。
そんなことを考えていると、再び話しかけてきた。
「俺はこれから修行に出る。いつかお前にリベンジしに行く。俺はドーランだ!覚えておけ!」
そう言ってよろよろと立ち上がって去っていった。
…………もう戦いたくないんですけど。
だってあいつ強かったもん。
身体めっちゃ痛いし。
俺は領主をぶん殴りに行くために屋敷に足を運ぶ。
すると屋敷からアナと顔がボコボコになった領主がアナに引き摺られて出てきた。
それを見たら俺は再び【身体強化】を使い、領主の近くに行き。
「全部お前のせいだ!この野郎ッッ!」
思いっきりぶん殴り、その瞬間に俺は意識が薄れてきた。
アナが泣いて何かを言っている。
また心配させたから帰ったら説教だろうなぁ。
俺はそんなことを思い、意識を手放した。
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頑張って戦闘シーンを書いてみたんですがどうだったでしょうか?
まだまだ下手くそなので、改善点が有れば教えてください!
読者の皆様へ
この度近況ノートでも書いたんですけど、目標の★100を達成しました!
なので連載を続けることが決まりました。
さらにPVも10,000を超えました!!
本当にありがとうございます!!
今日は12時ごろと7時ごろに1話づつ投稿しようと思っているので是非見てみてください!
この作品が面白い!まぁいいんじゃない?などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!
☆☆☆→★☆☆でも作者は物凄く喜びます。
また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などを頂けると作者の励みになります。
これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします!!
ではではまた次話で。
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