第23話 隣の領の領主にカチコミに行く①(改)

 俺が隣の領の領主にカチコミに行くと決めて1週間が経ち、とうとうその日の夜となった。


 俺はその間になんとかギリギリ新しい魔法を作ることに成功したため、準備は万端だ。


 自分で言うのもなんだか今回作った魔法は、ラノベを読んでいる人なら必ず知っているはず。


 ものすごい人気だからやり方が詳しく書いてあるラノベも少なかったため、作りやすかった。


 早速試しに使ってみる。


「【隠密】【透明化】発動ッッ!」


 【隠密】で俺の魔力が周りのマナと同化し【魔力感知】に引っ掛からなくなり、たとえ感知結界でもバレることはないはずだ。

 

 また、【透明化】で俺の周りのマナに俺の後ろの景色を映してもらって簡易的に透明になる。


 まぁ近づいたら人がいるなってわかるけど、夜だしなんとかなるよね!


 俺はこの状態のままアナの部屋に行く。


 アナは常に【魔力感知】の結界張ってるから今まで入ったことないんだよな。


 少し楽しくなってきた俺は音を立てないようにアナの部屋の中に入ろうとするが、やめて前で待つ。


 なんなんだ?


 今一瞬めっちゃ背筋がゾワッとしたぞ……。


 俺が入ろうとした瞬間だけ感じたってことは、何かしらの魔法が反応したってことか?


 俺は【魔力視】を発動して扉の方を見てみると。


 なんだこれっ!?


 目の前には何重にもされた【感知結界】があった。


 え?【感知結界】の魔道具は、1つ1つめっちゃ高かったはずなんだけど……。


 こんなにポンポン使えないよ、普通。


 たとえ貴族でも一家に1個あればいい方なはずなんだけどなぁ。


 流石にこの中には入れんて……。


 諦めるしかないかぁ……。


 俺が諦めて扉の近くで座って待とうとして後ろを振り向くと、そこにはすでにアナが立っていた。


 なん……だ……と……ッ!?


 いつの間に俺の後ろにいたんだ?


「ち、因みにアナはいつからここに居たんですか……?」


「勿論、アルト様が私の部屋の前に来たところからです」


 あっ!それで俺が部屋のドアを開ける時にゾワッとしたのか……。


 取り敢えず怖いからさっさと行こう!


「よよよ、よし!行くか!」


「帰ったら説教ですからね」


 まじかぁ……。


 ちょっとした好奇心だったんだけどな……。


 俺はどれくらい説教されるのかに怯えながらトルー領に向かった。






♦♦♦






 今俺達は走りながら向かっている。


 馬車よりも俺たちが走ったほうが早いからな。


 ということで【身体強化】を発動させながら走っている。


「アナ、トルー領主の家はどんな感じだ?」


「領主の家は1つの感知魔道具がありますが、今のアルト様なら大丈夫でしょう。あと家には50人ほどの騎士が守っています」


 いや、領主さんや……些か自分の家を守り過ぎではないかな。


 そんなの自分の家に何かありますと言ってるようなものなのに……。


 トルー領主は案外馬鹿なのかもと思う俺だが、襲撃に行く身であるため少し厄介だ。


 まぁあの騎士たちみんな弱かったけど。


 なんならもうサーシャの方が強い気がする。


 そんなことを考えていると城門が見えてきた。


 俺達は城門をバレないように通り過ぎ一直線に領主邸に向かっていく。


 それから10分ほどで領主邸の前まで着いた。


 俺とアナは【魔力視】を発動させる。


 ふむ……確かに感知魔導具が設置されているな。


 まぁ俺たちには意味ないけど。


 感知の結界をスルーして入る。


 庭には10人くらいの騎士がいた。


「アナ、こいつらはどうする?」


「この人達は無視して行きましょう。領主の近くにいる人はぶっ飛ばしますが」


 おお……アナがちょっと物騒な言葉を使い始めたな。


 アナが言うと本当にするから怖いんだよな……。


 あっこれはアナに言うなよ?


 説教の時間が増えちゃうから。


 これはフリじゃないからね?


 そんなことを考えながら玄関の扉を開けようとするが。


 施錠されている時の『ガチャン』と言う音が鳴る。


「「……………」」


「開いてないね、扉」


「そうですね。いつもは開けてあると言う情報があったのですが……」


「どうしようか……」


「窓から侵入しましょうか」


「そうだな……」


 俺たちは玄関ではなく窓から入ることにしたのだが。


 こちらも施錠されている時の『ガタン』と言う音が鳴った。


「「…………ここも開いてない……」」


 なんでだ?いつもなら開いているって情報だったのに。


 なんかしてるのか?


 …………………………よし。


「アナ、バレるが扉壊していくか」


「ええっ!?それでは全ての騎士と戦わなければならなくなるのですよ?」


「でも盗賊たちは弱かったしなんとかなるだろ」


 俺はアナの返答を待たず、玄関の扉の前に行き、《魔銃エクスプロード改》の引き金を引く。


 頭に響く発砲音と共に扉が破壊される。


 すぅぅぅぅぅぅ。


「トルー領主!カチコミに来たぞーー!!オラっ!!」


 叫んだ瞬間に、5発発砲して俺の声に反応していた騎士を倒す。


「ちょっと!アルト様!なんで叫ぶんですか!!」


 アナは魔法を騎士に放ちながら俺に聞いてくる。


「そんなのどうせバレるなら派手にバレたいじゃないかっ!」


 だってそうだろ?


 どうせバレるならかっこいい方がいいだろう?(全然かっこよくない)


 俺は銃を撃つと今の時間帯は、近所迷惑だと気づいたため、今は【身体強化】を500%に上げて格闘術で戦っている。


 俺たちはこのまま戦いながら屋敷に入っていく。


 すると屋敷の中にも沢山の騎士がいた。


「おい!侵入者だ!捕らえろ!」


 リーダーっぽい騎士が他の騎士に命令している。


 まず彼奴から無力化させるか。


 あっ、そういえばアナの呼び方変えないとな。


「アナ、俺アナのことなんて言えばいい?」


 アナに近づいて小声で言うと。


「それではアルファとお呼びください。私はアルト様のことは主と言うので」


「なんでアルファなんだ?」


「私の頭文字がAだからです」


 なんて安直な……。


 それにアルファってなんか某暗躍小説のキャラに出てくる奴に似ているな……。


 そんなことを思いながら、俺は近くの騎士をぶん殴りながらリーダーの所に進んでいく。


「おい、どう言うことだ!こいつらめちゃくちゃ強いぞ!」


「焦るな!1人に5人ほどでかかれ!」


 リーダーが騎士に命令を下す。


 へぇ……リーダーは無能ではないな。


 しかしトルー領主みたいな奴の部下になったことがいけなかったな。


 それに俺たちは5人くらいでは全く意味がない。


 俺は変わらず殴りながら倒しているので楽だが、アナは屋敷を崩さないように気をつけながら魔法を放っている。


 なんかアナが1番大変だな……。


 少し可哀想に思うが、それでも騎士は全くアナに近づけてないから、意外と余裕なのか……?


 俺たちはどんどんやってくる騎士を倒しながら、どうやってトルー領主をいためつけるか考えていた。



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始めは、誰にもバレないようにしようと思ったんですが、なんか書いているうちにバレてました。

次の話も戦闘なので、お楽しみに!


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 ではではまた次話で。

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