第14話 魔獣を討伐しに行こう②(改)
魔物が目撃されているのは我が家の領地の近くらしいので普通に徒歩で向かう。
今回目撃されたのは、ラノベの定番キャラで雑魚又は重要キャラにもなる、ゴブリンだ。
情報によると2、30匹ほどで集落を作っているようで早急に討伐して欲しいと言うことだ。
ちなみに俺は動きやすくて破れにくい服を母さんに貰ったのでそれを着ている。
この服は物凄い丈夫だった。
包丁で刺そうとしてもさせなかったくらいだ。
見た目は完全に普段着だが。
持っているものは、リボルバーの弾が入った魔法鞄とそのリボルバーを収めるホルスターを腰に付けて、《魔銃エクスプロード》と《魔銃ペネトレーション》を持ってきた。
一方でアナは、いかにも魔法使いという服を着ている。
いやどうやって説明したらいいかわからないんだよ。
だって本当にラノベの魔法使いが着てそうな服なんだもん。
そして鈍器としても使えそうな魔法杖に、ピクニックに行く時に使いそうな弁当の入っている籠を持っている。
なんかアナを見ていると、ピクニックに行っているのか、戦闘に行っているのか分からなくなるな。
俺も結構人のこと言えないかもしれないけど。
まぁ俺はどちらかといえば後衛だから、服はあんまり関係ないんだよ。
あっアナもか。
それじゃあ俺とアナって戦闘になったら結構相性悪い系ですか?
……うん、後衛と後衛はダメだな。
なら俺が前衛しなきゃいけないのか……。
これは全く想定していなかった。
体術でも習っていればよかったなぁ。
それにどうしよう……何も作戦なんてないんだけど。
取り敢えずアナに聞いてみるか。
「ねぇアナ。今日の作戦ってなんか考えた?」
「いえ何も考えていません。どうせすぐにみんな死んでしまうので。それよりもその後一緒にピクニックしましょう!」
うんアナは討伐に来たんじゃなくてピクニックに来たんだな。
まぁなんとかなるか。
俺は化け物威力の魔銃持ってるし、アナも中級魔法使えるし。
これでなんとかなりそうになかったら銃を乱射して逃げるか。
結構雑で作戦ともいえないが、まぁ考えないよりはマシだろう。
ひとまず逃げる時のものは用意しておくか……。
俺がアナに声をかけようとしたが、俺の前を鼻歌歌いながらスキップしてるからそっとしておいた。
何故かって?
めっちゃ可愛いかったからだよ。
俺の癒しだ癒し。
後で俺に見られていることに気がついたアナは耳まで真っ赤になって恥ずかしがっていた。
まぁその姿も可愛かったけど。
♦︎♦︎♦︎
歩くこと3時間。
やっとゴブリンが出るという森に到着した。
うんめっちゃ疲れたんですけど。
まだ1回も戦闘してないのにさ。
こんなに疲れるなら馬車で行けばよかったかなぁ。
まぁ今更後悔しても遅いので、次からは馬車で行きことに決め、アナを連れて森へ入る。
この世界の森は、木に似ている魔物がいる以外は前世の森と大して変わらない。
今俺とアナは【魔力探知】でゴブリンの居場所を探している。
集落って言っていたからすぐに見つかると思うんだが……。
「アルト様いました。ここから3km森の中心に向かえば出会えるはずです。しかし数が報告の3倍くらいいます。」
アナが気付いた5秒後くらいに俺も気が付いた。
確かに報告の30匹よりも断然多い。
ざっと数えて130匹くらいいる。
しかしやっぱりまだ魔法の力量はアナが断然上だな。
ここにきて天才と言われるアナが頼もしく思えてきた。
さっきまでピクニック気分だった時とは全く雰囲気が違う。
なんかとけどげしくなった。
俺も気持ちを切り替えるか。
俺は【魔力探知】を500mに狭め【身体強化】を200%で発動させる。
発動させている魔法は最低限の出力だが、初めて2つの魔法を同時発動したため、頭が少し痛い。
だが支障きたすほどではないため取り敢えず無視しておく。
そしてホルスターから魔銃を取り出し、リロードする。
それを見たアナはいつの間にか消えていた魔法の杖を自分の手に召喚させた。
えっ……どこから出したんだその杖。
それにいつしまったんだ?
気付いたらもう持ってなかったし。
「その杖どこにしまってたの?」
「この杖は闇魔法で自分の影にしまっていました」
なんだよその魔法。
俺もめっちゃ欲しいんだけど。
魔法鞄よりも便利じゃん。
まぁそれはまた後で聞こう。
俺とアナは常に【魔力探知】を使用して歩いているがゴブリンたちは全く動かない。
そのため1回も戦闘になることなくゴブリンの集落までついた。
2人で集落を覗いてみると、洞窟の入り口に見張りが2匹いる。
しかもただのゴブリンではなく、下級に属するゴブリン・ソルジャーだ。
ただ俺は実物を見たことがないのでアナに聞いてみる。
「普通のゴブリンの集落ってあんな感じなの?」
「いえ、私が1人で討伐しに行った時は、洞窟の時でも見張りなんていませんでした。それに見張りで下級なので、今回はホブゴブリンかゴブリンジェネラルがいるかもしれません」
それは結構やばいな……。
俺まだ4歳だから動き回るなんて無理だよ?
アナもどう考えても体力無さそうだし。
よしそれなら。
「アナ、今回は遠距離ボコボコ作戦で行こう」
「ふふっ、わかりました(作戦名もそれをドヤ顔で言うアルト様も可愛い……)」
作戦名言ったら笑われたんだけど……。
やっぱり俺にはネーミングセンスがないのかなぁ。
まぁ恥ずかしいからスルーして行こう。
「アナ、今回は僕に任して。この魔銃の威力を試すから」
「わかりました……ですが危ない時は手を出しますからね?」
「うん、それでいいよ」
よしそれじゃあやりますか。
いつも通り2つの魔銃に魔力を込める。
ぐっ……ただでさえ魔力を今大量に使っているのに、さらに魔力が吸われるから相当きついな……。
魔力が貯まると《エクスプロード》には漆黒の魔力、《ペネトレーション》には白銀の魔力が纏われる。
威力はいつも通りでも大丈夫だろう。
だっていつもで通りでもミスリル凹ますくらいだし。
2つの銃を構えゴブリン・ソルジャーを狙う。
距離は30mだから問題なし。
見張りがこっちを見なくなった瞬間に引き金を引く!
いつもよりも少し大きな爆発音が響く。
先に《ペネトレーション》の弾がゴブリンソルジャーに当たり眉間に5cmほどの穴が開く。
そして少し遅れて《エクスプロード》の弾が当たり、眉間を狙ったはずが頭まで一緒に爆散した。
下級魔物らしいけどオーバーキルでしたね。
うん、俺の相棒達はたいへん強い。
これはホブゴブリンとかも余裕なんじゃね?
アナの方に振り返ると、目を見開いて固まっていた。
あ、そういえば射撃練習の時は危ないからアナ呼んでなかったんだったな。
ならこれが他の人への初披露か?
俺が少し考えていると、復活したアナが興奮しながら駆け寄ってきた。
「すごいですよ、アルト様! 下級魔物を一撃で仕留めるなんて! あの武器の威力は中級魔法と同じくらいの威力です!」
マジで?この銃って抑えて中級並みの威力なの?
てか、中級魔法って威力高くね?
現代の武器だと戦車でないと勝てないじゃん。
アナって戦車よりも強かったのか……。
予想以上の魔法の威力に少し引いてしまったが、この銃はもっとすごいから、俺も人のことを言えないな。
「よし、見張り倒したから先に進もう!」
「はい!」
俺たちは洞窟に入ってからも無双した。
中にはゴブリンソルジャーやゴブリンアーチャー、ゴブリンメイジなどがいたが、俺の魔銃で爆散されるか体に穴が開いていく。
そしてアナの風中級魔法の【ウィンドカッター】で首を切り飛ばされていた。
無傷のまま洞窟の奥まできたが、そこには、中級下位のホブゴブリン4体が待ち受けている。
「アナ! 僕と君で2匹ずつ倒そう!」
「わかりました!」
俺は《エクスプロード》を1匹に撃ち、足を太ももから下を爆散させる。
そして《ペネトレーション》をもう1匹のホブゴブリンの心臓に撃って殺す。
そして最後に足を失い立てなくなったホブゴブリンの頭に《エクスプロード》を撃って爆散させた。
自分の敵を倒したのでアナをみると、もう既にどちらも死んでいる。
片方は焦げていて、もう片方は首が切られていた。
いやアナ強っ!
俺これでも10秒ちょいで倒したんだけど。
「アナ早いね」
「メイドたるもの、主に言われる前に全てこなしておくことは当たり前です」
メイドってそんなに大変なの?
まぁ兎に角今はそれよりも、この先の4つの強い反応がある場所に行かないといけない。
「アナ、この先の敵はこれまでのようには行きそうにないから気をつけていこう」
「わかりました。アルト様も気をつけてください」
「もちろんだよ」
俺たちは少し休んで魔力を回復させると、俺は【魔力探知】を10mにする代わりに、【身体強化】を500%まで引き上げ、どちらの銃も威力をMAXにする。
アナは【身体強化】と光魔法の【祝福】を使って自分の身体能力を底上げしていた。
完全に準備が整い、300mくらい歩くと、3匹のホブゴブリンの二回りくらいでかいゴブリンと、その真ん中の玉座みたいな所に筋肉ムキムキのさらにデカいゴブリンが座っている。
俺はこいつらを絵本で見たことがある。
3匹いる方は中級上位のゴブリンジェネラルだ。
そして玉座に座っているのが、上級下位のゴブリンキングだった。
あちらも完全に俺たちを認識していて、完全に怒っているので逃げられそうにない。
俺とアナは目配せをし、ゴブリン達に魔法と銃弾を放った。
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読者の皆様へ
どもども、作者のあおぞらです。
初の戦闘シーンでしたがどうでしたでしょうか?
書くのめちゃくちゃ大変でした。
なので、この作品が面白い!まぁいいんじゃない?などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!
☆☆☆→★☆☆でも作者は物凄く喜びます。
また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などを頂けると作者の励みになります。
ではではまた次話で。
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