第10話 【銃製作】スキルを使ってみた①

 無属性魔法を練習し始めて1か月がたった。 


 今は、今まで覚えた無属性魔法と共に、無属性の【硬化】と【加速】、【シールド】なる魔法を習得し、練習している。


 そして今日は魔力属性検査を受けた日に依頼したものが届く日だ。


 それがなければこれからすることが全て出来なくなってしまう。


 例の物を買うときは流石に両親が反対した。


 まぁ俺が2人の誕生日にプレゼントあげるって言ったらあっさり許可を貰えたけど。


 ふっちょろいぜ。


 いやほんとにちょろすぎて逆に心配だよ。


 訪問販売とかあったら俺のためだとか言われたらあっさり買わされそうだな……。


 この時の俺はこの世界では訪問販売は殆どなく、あったとしても侯爵家を騙すことことなどしないと言うことを知らない。  


 このことに気づくはもっと後である。


 俺が両親のちょろさに真剣に心配になっていると【魔力探知】に反応があった。


 えっとここから3km先か。


 俺の【魔力探知】は今は半径5km圏内なら結構詳細な情報がわかるようになった。


 反応は人が……5人と馬が2頭と……。


 この感じからして1人の商人を4人の冒険者が守っているって感じだな。


 その一行は俺の家に向かってきていると【魔力探知】が反応している。


 てことは例の物を持ってきた商人だな。


 よし!やっと念願のものが届く。


 ここでみんなは俺が例の物と言っているものが気になるだろう?


 例の物とは俺のスキル【銃制作】を使用するときに必要になる。


 それは、金属だ!


 もっと狭めて言うと鉄や魔力を含んだ鉄である魔鉄などのこと。


 今回買った金属は、鉄、鋼、魔鉄、ミスリルの4種類だ。


 なぜ親に反対されたかと言うと、魔鉄やミスリルは加工が普通の人では難しいからだ。


 まぁ俺はスキルが全自動でしてくれるから関係ないけど。


 このスキルは異世界に来て、魔法以外で前世の技術に勝っている数少ないところだろう。


 正直言ってこの世界は色々と元日本人からしたら不便すぎる。


 移動するのにめっちゃ時間かかるし、ゲームとかないし、メールや電話がないから全部手紙を書かないといけないし。


 その中でも1番不便なのは、ベッドだ。


 ベッドが硬すぎるんだよ。


 ポケットコイルとかの技術はないから加工した木の上になんかの毛を敷き詰めたマットレスが敷いているだけなのだ。


 なんならこの前乗った馬車の座席の方がベッドに向いていたんだが。


 だから俺は必ずベッドを自分で作ると転生して2日で決意した。


 おっと話がずれたな。


 えっと、どこまで話していたっけな……あそうそう俺のスキルの話だ。


 俺のスキルの効果は、自分の想像した銃を手元にある金属を使って制作する能力だと授かったときに頭に流れてきている。


 まだ実際に試したことがないためなんとも言えないが、多分大丈夫だろう。


 失敗しても作り直せばいいし。


 おっやっと商人たちがついたようだ。


 俺は玄関の扉を開けて話しかける。


「ぼくは、こんかいしょうひんのいらいをした、アルト・ガーディアンといいます。はるばるおこしいただきありがとうございます」

 

 商人は、見た感じ3、4歳の子供が自分達の依頼人だと知って少々びっくりしているようだ。


 さらにまだ自分達が玄関の扉を叩いてないのに開いたことにさらに驚いている様子。


 驚いていたのは商人だけではなく、冒険者たちもだった。


 みんな揃って間抜けな顔になっている。


 ふふっ、やっぱり大人が変な顔になっているのを見るのは面白い。


 流石に急に目の前で何もなかったのに笑い出したら不気味なので必死に抑える。


 やっぱり俺って結構性格悪いな。


 これは直さないとまたボッチになってしまう。


 ボッチは本当に悲しい。


 みんなでカラオケに行こうとクラスの人が言っていても俺だけ呼ばれないなんてことが沢山ある。


 よし、この悪い癖は直そう。


 俺が決意を固めていると、1番に復活した商人は慌てて俺に返答してくる。


「は、はじめまして。私、商人ギルド所属のマークと申します。そして私の後ろにいるのが護衛として雇った冒険者です」


 商人改めマークに俺は早速本題の話をずる。


「それではぼくのいらいした、しょうひんのほうをみせてください。」


「は、はい畏まりました」


 マークは馬車に戻ると冒険者達にも持たせながら俺の目の前に持ってくる。


「こ、これが今回の依頼の品です。えっと鉄、鋼、魔鉄、ミスリルの4種全て50kgで、大金貨7枚です」


 …………たっか。


 え?そんなに高いの?だって日本円で700万円でしょ?


 マジかぁ……そんなに高いのかぁ。


 これは想定外だなぁ。


 まぁ余裕で払えるんですけれども。


 何せ父さんには大金貨を20枚も貰ったからな。


 こんな大金を3歳児に持たせるのは、自分の両親だから言いたくないけど、バカなのか?


 あの人たちほんとに頭大丈夫かな?


 これは一回ちゃんと話し合わないといけないかもしれない。


 じゃないともっと渡されそうで怖いんだが。


 それに家が侯爵家だから無駄に金があるのも更にいけない。


 俺は両親と話し合うことを決める。


 ……なんか今日決心しないといけないことが多いな。


 まぁ取り敢えずさっさとお金払うか。


「わかりました。えっと……はい、大金貨7まいです」


「ありがとうございました。また何か依頼するときは是非ともどこよりも品揃えの良い商人ギルドへお願いします」


 マークの野郎、最後にちゃっかり商人ギルドのことを宣伝して帰っていきやがったな。


 結構強かな奴だ。


 だがこれでやっと念願の銃を制作することができる。


 俺は期待を膨らませ【身体強化】を使いながら金属を庭に運び出した。



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