第2話 魔力を操作してみよう①

少し長めです。

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 アルトに転生して半年が経った。


 生まれた時は全く言葉を話せなかったが、今では少しだけなら話せるようになっている。


 この世界でも、どう言う訳か分からないが日本語でみんな話しているので、言葉を覚える必要がないため2ヶ月もすれば話せるようになった。


 言葉覚えるのって面倒くさいよね。


 俺英語のテスト毎回20点台で赤点だったし。


 ほんと英語なんて海外に行かなければいらないと思う。


 俺が話せるようになった時、母さんと父さんに


「ちちうえ、ははええ」


 と言ってみた。


 すると2人は急に壊れたロボットみたいな変な動きになり出した。


 ふふふふ、ほんとに人間がロボットに見えることあるんだな。


 なんかめっちゃおもしろい。


「あ、あ、あ、あなた」


「な、なんだい。ル、ル、ルナ」


「い、今、私たちのこと『ちちうえ、ははうえ』っていったわよね?」


「あ、ああ。確かに今言ったな」


「きゃぁぁぁぁぁぁ! アルトが生まれてまだ2ヶ月しか経ってないのに、しゃべったわぁぁぁぁぁぁ! 流石アルトね! 天才よ! きっとこの子はあなたが言ったように天才よ!」


「おう! そうだな! 俺の思った通りだ! 凄いなアルト!」


 母さんと父さんは『天才だ、うちの子は天才だ』と喜び、俺の頭を撫でたり、ほっぺすりすりをしていた。


 まぁ正直母さんはめっちゃ美人だから嬉しかったけど父さんに頬っぺたをすりすりされるのは嫌だった。


 俺イケメン嫌いだから。


 イケメンは全フツメン、ブサメン男子の敵!


 それに母親とはいえ、20代前半に見える美人な人にすりすりされるのは、なんかめっちゃ恥ずかしかった。


 てか俺、父さんとか母さんの誕生日も年齢も知らねーわ。


 いつかちゃんと話せるようになったら聞いてみるとするか。


 なんなら今すぐにでも話すことは出来るけど、今話したらもっと騒がれてうるさいし。


 まぁそんなことより、目標としていた魔力量の増加はこれまで毎日魔力を放出していたお陰で、生まれた直後から5倍以上に膨れ上がっていた。


 これでやっと魔力固定の練習が出来る段階に入ることが出来たのだ。


 まぁ全部自分の感覚なんですけどね。


 今まで俺は、魔力をどこかに留めるのではなく、ぐるぐると体中を循環させていた。


 なぜなら、魔力をどこかに固定しようとしたら、固定しようとした部分から魔力が抜けて魔力切れがよくおこっていたからである。


 なので取り敢えずの目標を決めたのだが、それが5倍で遂に昨日やっと超えた。

 

 正直めっちゃ大変だった……。


ラノベの主人公は魔力切れよく起こしてたけど、あれ実際になったら地獄だからなマジで。

 

 吐き気と鈍器で殴られたのかって思うほどの頭痛に、眩暈はするわ、身体が重く感じるわで兎に角最悪だった。


 正直赤ちゃん、というか子供の頃からすることじゃない。


 なんなら大人になってからもしないほうが絶対にいいレベルの辛さだった。


 人生で初めてオタクの知識を恨んだ。

 

 もし俺の他に異世界に転生したら魔力切れには気をつけた方がいい。


 本当に死んじゃうから。


 まぁそんなことを言いながらも毎日魔力切れになっているんですが……。


 今日は取り敢えず魔力を目に集めてみるか。


 俺は、魔力が血管を流れて目の血管に集めるようにして魔力を操作してみる。


 しかし、中々目に固定することが出来ず、あちこちにバラバラに流れたり、体の外に漏れて出て行ったりしてしまう。


 やっぱりこれ、結構難しいな…………しょうがない、取り敢えず全身に流してみるか。


 目に集めるのを一旦諦めた俺は、今度は身体全体に魔力を流して固定してみる。


 すると今度はまだまだヘタクソであるが、何とか全身に流すことに成功した。


 しかしすぐに魔力枯渇を起こしてしまって、例の最悪な症状が襲う。


 ……ぐっはっ、ししし、死ぬ……やっぱりやばい、無理無理こんなの慣れるわけない! 


 だいぶ魔力量増えたと思ったけど、たった5秒くらいで魔力切れを起こしてしまうのかよ……想像以上に負担がかかるな。


 マジでやってらんねぇ。


 この世界でも人生ハードだなぁ。 


 どうせなら【無限魔力】みたいなチートスキル欲しかったな……。


 でも問題点は分かったし、まぁ良かったことにしておこう。


 そう思ってないとやってられない。


 魔力切れと、身体が赤ちゃんと言うことも相まって疲労感が限界を超え俺は意識を手放した。






♦︎♦︎♦︎






 俺が目を覚ますと、目の前にアナスタシアの顔があった。


「あうあっ!(うわっ!)」


「キャッ! あわわわ、ごめんなさいアルト様!」


 俺もアナスタシアも驚いてしまう。


 なんで目の前にアナスタシアの顔が?


 めっちゃビビったんだけど……いやでも、相変わらずめっちゃ綺麗な顔だな。


 起きた瞬間から美少女拝めるなんて最高。


 このためなら金貨払ってもいい……!


 見ていて心が浄化される。


 髪も目も綺麗だし。


 てか赤ちゃんに謝っても意味ないだろうに、俺以外は。


 アナスタシアは意外とバカなのかもしれない。


 いや天然なのか?


 俺は驚きながらもアナスタシアの青い目に見惚れていた。


 いやしょうがないじゃん?


 前世で友達3人だったし、その3人もみんな変人だったんだからさ。


 女子とも大して話したことないし。


 こらそこ、ぼっちざまぁ言うな!悲しくなるだろう!


「アルト様? アルト様?」


 はっやばい、余計なこと考えながらずっと見てしまった。


 普通に顔をジロジロ見られるのは誰でも嫌だしな……まぁ赤ちゃんだしキモがられないか。


 前世では学年で1番可愛いって言われてた女子に、見惚れてたら舌打ちされたけど……。


 ひどくね?ほんの2、3秒見てただけで明らかに不機嫌というか汚物を見るような顔されたんだよ?


 俺その子と面識ないはずなのにさ。


 でもイケメンにはめっちゃいい笑顔で話してたし。


 ふんっ、所詮この世は顔か!

 

 ……はぁ……なんか、悲しい気持ちになるなぁ……いや、今の俺はきっとイケメンだから大丈夫なはず……多分、きっと。


 閑話休題。


 落ち込んでいる俺にアナスタシアが声をかけて来る。


「アルト様、今日は何をしますか? 昨日と同じように絵本をお読みしましょうか?」


 こくこくっ。


 俺は、生後1ヶ月の頃から絵本をアナスタシアに読んでもらっている。


 ほんとは自分で読めるけどそれだとバレそうだし。


 特に、魔法と歴史に関しての絵本を読んでいる。


 絵本の癖に、結構魔法のこととかちゃんと書かれているんだよな……。


 そう、前世と違ってこの世界の絵本は学園で教科書として使われるほど、詳細に書かれている。


 なので、魔法の勉強としてはもってこいなんだと。


 今日は、魔力に関して書いてあるものを読んでもらっている。


 そのまま読み進めているが俺の魔力増強法は紹介されていない。


 あれっ?俺の魔力量増加方法が書いてない?


 そう言えば確かラノベでも異世界人でこの増強法知らない人多かったな。


 もしかしてこの世界の人たちは、魔力量は上がらないと思っているのか?


 よく分からんな。


 しかし絵本によると、この世界では魔力量は15歳までの成長でしか上がらないと言う考えが常識であることがわかった。


 また、魔力枯渇は、下手したら死んでしまうとまで言われている。


 このことから俺の考えは先進的ではあるが危険で異常だと言うのが分かるだろう。


 まぁ確かに魔力切れには誰もなりたくないわな。


 俺は頭ではこんなにうるさいが、実際は一言も発することなく違う所を読んでもらっている。


 そして今読んでいる所は魔法属性のことである。


 この世界には、火・水・風・土・光・闇の基本属性と、雷・氷・時・空間の上位属性の他に、固有魔法とある。


 また、属性のない魔法を無属性と呼ばれており、身体強化しかできない無能属性と言われ、無属性を持っている人は【不適合者】と呼ばれて、冷遇されている。


 更に、無属性は誰にでも使えることも、【不適合者】と呼ばれる1つの要因である。


 なるほど、でも小説では無属性って結構強い方だと思うんだけどな……身体強化とか極めたら結構最強だし。


 まぁこの世界は属性至上主義みたいな世界だししょうがないか。


 しかし無属性でもいいから魔法は是非とも使ってみたい。


 それにどうせ魔法を使うなら雷の魔法が使えたらいいな。


 雷ってめっちゃかっこよくない?


 厨二の憧れだよな。


 まぁ今いくら自分の属性を考えたところで、魔力操作しか出来ないので魔法も使えないし、そもそも自分の属性もわからないため、俺はそこで考えるのを辞める。


 ちなみにこの世界で魔法属性は、3歳の魔力測定で分かるようになるらしい。


 そして属性が分かるのと一緒にスキルが発現する。

 

 母さんは上位剣術、父さんは詠唱破棄を持っている。


 そこから分かる様に母さん父さんは冒険者をやっていた。


 母さんが前衛の剣士、父さんが後衛の魔法使い。


 なんか役割逆じゃない?


 父さんめっちゃ筋肉あるし、母さんは華奢だし。


 明らかにスキルの発現間違ってね?


 父さんムキムキなのに守られるって……なんかダサいな……流石に言わないけど。


 まぁまだ俺のスキルは分からんから魔力を増やしておくことに越したことはないな。


 そんなことを考えていると、いつの間にか絵本が終わっており、アナスタシアが居なくなっていたことに気づく。


 よし!これでまたいつものように練習できるな。


 まぁどうせ一回で魔力切れ起こして気絶して終わるんだけど。


 正直いてもいなくても大して変わらない。


 俺は、周りに誰もいないことを確認すると、また魔力操作の練習を開始した。



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どもども、作者のあおぞらです。

今回初めて自分で書いていて、ラノベ書くのめっちゃむずいなあと思いました。

いや、100万字とか書いてる人って本当にすごいですよね。

一体どうやっらそんなに書けるのか……。

まぁ思った以上に大変でしたが何とか書いていくので、この作品が面白い!続きが早く読みたい!などと思っていただければ、☆☆☆→★★★にしていただけるとありがたいです!

 また、フォロー、感想、応援コメント、誤字脱字や改善点などを頂けると作者の励みになります。

 ではではまた次話で。


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