第1章 転生
第1話 異世界に転生したみたい
「うわあああああああ!」
俺は急いで体を起こそうとして異変に気づく。
まず俺はほんとに交通事故で死んだはず。
更に、なぜだか知らないが目がぼやけて見えるし体重いしなんか声が聞こえる。
それから少しして目が見えるようになった。
すると目の前に銀髪の女性と金髪の男性がいることに気づく。
え"?だ、誰?ていうかめっちゃ美人とイケメンじゃん!
えっ、ずるっ、絶対人生イージーモードの陽キャリア充共じゃないですか。
「あーあー、うーあー(あなた方は誰ですか)」
おっとー声が出ないんだが!!それに身体もちゃんと動かせんし。
不自然だと思い自分の手を見てみると、なんと小さくなってた。
急いで自分の他の所を見てみても全てが小さくなってしまっている。
俺は、混乱している自分の頭を落ち着かせ、冷静に考えてみる。
えっと、まず俺は死んで気付いたらなんか目の前に陽キャ共がいて、それで自分が小さいと…………うん、俺転生したな。
でも、事故にあっただけで神様にも会っていない。
えーどうせならチートほしかったなー。
「うーあー、ーあーうーあ(やっぱり、車に轢かれたら転生するんだな)」
うん、やっぱ喋れん。完全に赤ちゃんになったな。
ふっふっふっ、やった、とうとう俺も異世界転生したぜ!
ラノベの知識も侮れないなぁ……。
持ち前のオタク脳で状況を把握し喜んでいた俺は、自分の母親らしき女性と父親らしき男性の話し声がしたので聞いてみる。
「あ、あなた、元気な子が生まれたわ……!とっても可愛いわ」
「そうだな、もう少し泣くかと思ったらもう泣き止んだし、賢い子に育つかもしれん」
賢いんじゃなくて、前世の記憶があるのと本当に異世界転生したから返って落ち着いてるだけなんだがな……。
心で弁明している俺に、女性と男性が話しかける。
「アルト、貴方の名前はアルトよ。私はママのルナですよ~」
「俺がパパのジークだよ。おっ、ルナ!アルトが、もう自分の名前に反応したぞ!」
「まぁ! それは凄いわね! 早くお話ししたいわ」
やっぱりこの人たちは俺の家族だったか。
そして俺の名前はアルトか……なんか前世の名前と似てるなぁ。
自分が転生したことに今更ながら実感が湧いてくる。
よし!今度こそ俺は、リア充生活を謳歌するぞ!
コミュ障だがなっ!
しかーし!両親が顔めっちゃ整ってるから、まぁ俺もイケメンな筈だし。
ていうかこれで整ってなかったら泣くよ?
なんならもう一回転生できるか試すよ?
まぁ今は考えても意味ないから取り敢えず自分がイケメンなのを祈るのみ!
「あうっ! あうあーあー!(頼む!イケメンでありますように!)」
まだ上手く動かせない腕で祈る俺。
それを見ていたルナとジーク改め母さんと父さんは……
「あなた! もう元気に動いているわ!」
「あ、ああ! 本当に元気な赤ちゃんが生まれたな!」
それはもう子供のようにはしゃいでいた。
……俺よりはしゃいでどうする……。
♦︎♦︎♦︎
俺がアルトに転生して10日経った。
この10日で、ある程度自分のことが分かってきた。
まずこの世界での1年は360日で、1ヶ月30日だということ。
曜日の呼び方は、火の日、水の日、風の日、土の日、闇の日、光の日と言い、1週間が6日で1ヶ月が5週間であることがわかった。
またこの国のお金の価値は、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨、白金貨、虹貨と、鉄貨が一番安く日本円で100円、銅貨が1000円、銀貨が10000円、金貨が100,000円、大金貨が1,000,000円、白金貨が10,000,000円、虹貨が100,000,000円くらいの価値。
そしてこれが一番重要なことであるが、この世界は魔法がある。
何故分かったかと言うと、母さんが俺を抱いて父さんの鍛錬している所を見せてくれていたので、しっかりと父さんが魔法で炎を出しているのを見たからだ。
ちなみに俺の名前はアルト・ガーディアンで、母さんがルナアーラ・ガーディアン、父さんがジーク・ガーディアンであることがわかった。
我が家は王国の盾らしい。
それにしてもガーディアンって、安直だな。
もうちょいなんかなかったのか王様よ。
まぁかく言う俺も何も思いつかないけど……。
まぁそんなことは置いといて。
俺の家は侯爵家と言う、王族、公爵、侯爵・辺境伯、伯爵、子爵、男爵の順番の中で、3番目に格式が上の貴族であることが判明し、軽く腰を抜かした。
まだ立つことできないから腰を抜かすことはないんだけどな。
そして今俺達が住んでいるのは、ドラグーン王国と言う国らしい。
その時はマジで異世界小説の中みたいだなぁと思った。
今俺が何をしているのかと言うと、まだ身体が動かないため、自分の魔力を放出させていた。
この前やっと自分の中に、何かある感じがしたからな…………おっ、あったあった。
これを体外に押し出すような感じで……くっ、やっぱめっちゃキツい、もう意識が……。
俺は魔力を使い切り、気絶してしまう。
このようなことを生まれて2日目からしている。
何故そんなことをしているのかと言うと、こうすることによって、魔力量が上がるからだ。
これは、前世での小説の知識がこの世界でも通用するのか色々調べていた時、このやり方をしてみたら、魔力がなくなり気絶してしまったが、起きたら魔力量が上がっていたため、今は1日に5回くらいしている。
気絶から回復した俺は、いつも通り自分の魔力量を確認。
まだまだ最初の1.2倍くらいしか上がってないな。
まぁこれでも十分異常だと思うけど。
そうして再び魔力放出しようとした時、父さんと仕事していたはずの母さんがはいってくる。
俺は急いで魔力の放出を止め寝たふりを開始。
「あれ? おかしいわね。ここから魔力を感じた気がしたのだけれど。でも、この部屋にはアルトしか居ないし、アルトはまだ魔力を感じることすらできないだろうし、私の気のせいかしらね」
そう言って母さんはまた仕事をするために、父さんのところに戻って行った。
危なかった……。
流石に産まれて10日で魔力放出が出来るなんてバレる訳にはいかないからな。
だから、次からは夜になってから重点的に鍛えるとしよう。
そんなことを考えていると、再び部屋の扉が開き、一人のいかにもなメイド服を着た女の子が入ってきた。
彼女は、アナスタシアと言い、瑠璃色の髪に綺麗な澄んだ青い目の、8歳ながら俺の専属メイドを務めている可愛い女の子である。
そう、やはり異世界の貴族の家にはメイドがいたのだ。
しかも可愛い。
前世だったら女優やアイドルやってたら売れてただろうなぁ。
俺だったら絶対推してた。
なんならバイトの給料全部つぎ込んで応援してる。
ちなみにアナスタシアは父さんと母さんが仕事をしている間の俺の世話係。
そんなアナスタシアが、俺の近くに来て、
「アルト様、おしめ変えさせていただきます」
俺のおしめを変えてくれる。
しかし俺の精神年齢は、17歳であるため、変えられる度に羞恥に駆られるのである。
正直めっちゃ精神的にキツい。
しかし3日目にある方法を思いついてから結構マシになった。
その方法は友也の厨二な話し方とウザさを頭の中で思い浮かべ、おしめの変えるのが終わるまで永遠に繰り返すことだ。
俺の頭の中で「晴人氏! フハハハハハハ!」と繰り返される。
うん、安定のウザさ。
近くに居れば思わず頭をはたきたくなるな。
さすが友也。
しかし今友也何してるかなぁ……。
いつも通り厨二病やってんのかなぁ。
あいつボッチだけど大丈夫かなぁ……他の人にあの話し方はするなって言えばよかったなぁ。
「あーうーあーあー(前世だったらこんなプレイ、いくら取られんのかなぁ……)」
「ふふっ、アルト様とっても可愛い。私が頑張ってお世話しますからね」
何この子、めっちゃ可愛いんですけど……。
マジで俺が大きくなったらお金あげようかな。
取り敢えず白金貨3枚くらい上げれば訴えられないか?
俺が同じ年齢だったら間違いなく惚れてるな。
くそっ、こんなことなら俺の記憶を無くしてくれたらよかったのに……。
そしたらもしかしたら付き合えたかもしれないのになぁ。
まぁ無理か、何せ人生で3人しか友達のできなかった男だからな。
……ぐすっ……なんか涙出てきた……俺の前世むなしいなぁ。
今世はまずは友達作ろうかなぁ……。
そんなアホなことを真剣に考えながら俺の1日が過ぎ去っていく。
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読者の皆様へ
不適合者のリメイク版を投稿いたしました!
タイトルは少し変わっております。
『【リメイク版】属性魔法が至上の世界に転生したけど不適合者だったので、無属性魔法と魔導銃で異世界を生き抜く』https://kakuyomu.jp/works/16817330648990201382
がリメイク版のタイトルとなっております。
頑張って書いているので是非読んでください。
よろしくお願いします!!(迫真)
ついでにフォローや☆もくれるとめちゃくちゃ嬉しいです。
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