第6話 新一3

新一に告白されてから、半年くらいが経った。

最近は会社の繁忙期に入り、お互い仕事が忙しく、全く会えていない状況であった。靖子も、毎日仕事に追われる日々を送っていた。にしても、会わなすぎな気がしているのも事実だ。お互い週1回は休みがあり、仕事終わりに食事に行くことだって可能である。しかし、新一があんまり行くことに乗り気ではないため、行けていない。告白される前はあんなスムーズに食事に行けていたのに。

しかし、1通程度ではあるが、毎日メールのやり取りはしている。会社の繁忙期が終わるまで我慢しようと、そのメールのやり取りを糧に頑張っていた。


今日も仕事を終えて帰宅すると、新一からの着信履歴が残されていた。いつもはメールのことが多いので、珍しいなとおもいつつ、何かデートの予定でも組むのかな、なんて考えながら架け直した。

しかし、内容は予想だにしないものだった。

「もしもし、新一さん?電話もらってたけど出れなくてごめんね。どうしたの?」

靖子は陽気に電話越しの新一に問いかけた。

「もしもし?いきなり電話してごめんね。」

一瞬沈黙が流れる。

「ん、、あ、、最近どう?お仕事とか順調?」

新一は、ドギマギしながら聞いていた。

「え、まあ順調だよ。新規の顧客もゲットしたし。もう少しで繁忙期が終わるから後少しがんばろって。」

「そ、そうなんだ。」

また沈黙が流れた。

なんか、いつもと雰囲気の違う新一に気づいた靖子は、

「どうしたの?なんかあったの?」

と心配そうに聞いた。

すると、

「い、言いにくいんだけどさ。この前の告白なかったことにしてくれないかな。」

「え、、、、」

頭が真っ白になった。

「ごめん。好きな人ができたんだ。」

そう言って、新一に電話を切られた。

靖子は言葉も出なかった。

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