第5話 雪乃3
今日は2人で仕事終わりに居酒屋に来ていた。
「この前の映画館デートで告白されちゃった!イメトレして、あの映画を見ることに成功したのが勝因だと思うんだよなー。雪乃、本当にありがと。」
靖子はビールを飲みながら嬉しそうに話した。
「まあ、新一さんも告白する予定だったんじゃないの?だって、話で聞いてる感じ、靖子に好意を寄せていたっぽいじゃん。にしてもよかったねおめでと。次は私ね。
「あれ、雪乃って2年くらい付き合ってる彼いなかったっけ?」
「先週別れたのよ。2年も付き合ってたのにやっぱりなんか違うんだって。マンネリも進んでたし、いいんだけど、少し寂しいよね。」
どうやら、雪乃は先週彼氏と別れたらしい。
「まあ、私ならすぐにできるけどね。どんな男も酒の席に呼んでしまえば一発よ。」
雪乃は笑いながら言った。
確かに雪乃の、好きの人を見つけた時のアタックは凄まじく、その成功率もほぼ100%になっているのが事実だ。大学生の時も好きな人ができては、「一緒にお酒を飲も!」と言って誘い、次の日には付き合ってるなんてことがザラにあった。靖子は、羨ましいなと思う一方、友達ながら、恐怖を覚えることもあるレベルだ。
「雪乃はそうだよね。2年も同じ人と付き合ってるのが意外だもん。すぐにできるよ。」
「失礼ね、私だって好きになったら結構一途なタイプよ。前の彼のこともずっと好きだったし。別れ話切り出された夜は泣きすぎて寝れなかったんだから。」
雪乃も乙女な部分があるんだなと感心しつつ、焼き鳥を口に運んだ。
「私明日も仕事だからそろそろお開きにしましょ。良い報告聞けてよかったわ。」
2人は、居酒屋を出て帰路に着いた。
靖子の歩みは軽かった。次は新一さんとお泊まりでも行きたいな、そしてゆくゆくは結婚なんかも、、、と妄想を膨らませながら家に帰った。
しかし、その妄想は実現することはなかった。
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