2.6(会話文のみ)
「先生、ソフィアちゃんつれてきましたよ。」
「おう、ご苦労だったな坊主。ソフィアの嬢ちゃんも適当に座ってくれ。」
「はい。」少し緊張した声で返事をしたソフィアはなぜ呼ばれたのかわからないからか少し不安そうだ。と、なにかに気づいたように部屋を見回す。
「…〈秘匿の隠し部屋〉ですか?」
「お、ソフィアの嬢ちゃんはよく勉強してるな。この魔術は最近は使われてない廃れた技だってのに」
「…以前みた牧師の記録に載ってまして。」
「なによりなにより。まぁ、今日来てもらったのは意思確認だな。」
ロイスの言葉に、レオンは眉を潜める
「なんでわざわざ先生から?確認するだけならソフィアちゃんも呼んで1ヵ所でやる必要ないと思うんですがー?」
「坊主も言うことも一理あるけどな、俺からこの件は請け負ったんだ。押し付けられたとかじゃないならな?」
「へーい」
明らかに納得してない返事を返すハナタレ坊主に内心ため息をつきつつ、言葉を続ける。
「んで?坊主はどうす「この砦に残る。」なんだ、決意は固そうだな。」
「ずっとかんがえてたことですよ。それこそ、この砦に来る前から考えてたこと。」
「ほう、ちなみに身分は隠すのか?」
「まさか!砦の奴らにはバレてるしそんなめんどいことは性に合いません。…本音を言えば先生達についていきたいんですけどね。」
「却下だな。」
「分かってますって。言ってみただけですよ」
「なるほどな。ソフィアの嬢ちゃんはどうする?」
「私、ですか。」
「君の言葉で君がどうしたいか聞かせてくれ」
「私、は。…あえて聖女として担ぎ出されてみようかと思います。」
「これは穏やかじゃないな?ソフィアの嬢ちゃんはもう少し穏健派だと思ってたんだが。」
「そうですか?セシル君達に影響されたのかもしれませんね。」
1口、紅茶で舌を湿らせる
「レオン君や『護衛騎士』様と話をさせていただいて、色々考えた結果思ったんです。私はまだあの町を飛び出した片田舎の無鉄砲からすすんでないんじゃないかと。だから、今することは追従でも、悲観でもなく、視野を広げることではないかと思うんです。聖女としてまつられると言うことは向こうは私を利用し尽くそうという魂胆でしょう?ならば、私も向こうを利用してさしあげようと思ったんです。」
「…ソフィアの嬢ちゃんもしっかり考えてるようでなによりだ。」
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