1.3
それは、脳髄をハンマーでおもいっきりぶん殴られたような衝撃だった。
「許すな奴らを許すな殺せ根絶させろ滅亡させろ許すなコロセコロセやつをころせやつらをころせひとりとしてゆるすなころせきりころせゆるすなゆるすなころせころせくびをおろせおおあなをあけろぜつぼうさせてこんぜつさせてすべてころしてこわして絶対にゆるすなコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセ!」
がらんがらんとひびく教会の鐘を間近で十も二十も聞いたようにたえまなくひびくコエ。もがいてももがいても押し寄せてくるそれに呑まれて押し潰されてしまいそうになる。
叶わないことだったんだろうか、僕の願いは
浅ましいことだったんだろうか、僕の行いは
終わらせてしまった方がいいのかな、僕の旅は
ゆるりと忍び寄ってくる弱気はずぶずぶと僕を蝕んでくる。ひどくながい時間たった気がした。
もがく腕が重い。拒む足が沈む。喚く声が萎む。
ー泣き言は聞かないわよバカアレン!!ー
バンッとそんな声が聴こえた気がした。
聴こえるはずのない、幼馴染みの少女の声。
…あぁ、そうだった。ここで立ち止まっていいはずがないだろう。自分がどうなってもゆるさないと決めたのを虚構にしてしまっていいはずがない。こんな呪いなんかに負けて、たまるものか。
僕は、魔王をたおすんだ。
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