第3話
日本で1番売り上げていると聞いたこともある学生会館のセブンイレブンで、三咲は138円のシュークリームを買った。会計し、店を出るまで、ぴったり斜め後ろにくっついてくる後輩・マチ子に、ついに三咲は「何?」と声をかけた。
「ね、地元にね、多摩川の土手があってすすきが今すごい綺麗なんだけど、撮りに行かない?」
「嫌だ」と、かぶせ気味に答えると、マチ子は少し面食らったような表情をした。しかし、それでも、固まったのは首から上だけで距離を開けずついてくる。少し面倒になって男子トイレに行くことを三咲が考え始めたところで、マチ子が三咲の手にぶらさがるシュークリームの袋を指さした。
「……ごはん、それだけ?」
「うん」
「……地元に美味しいケーキ屋があってね」
「あ、行くわ」三咲はかぶせ気味に即答していた。
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