白い朝

目を覚まして窓の外をみれば

そこは、いちめんの白

静かに降る雨に

薄らともやがかかり

最近の目のかすみが尚更に

いつもは見える景色を

覆い隠していた


🌧


ひとり迷い子になってしまった気がして

たまらなく寂しくなる

いい歳をした大人が、と

自嘲しながらそれでも

寂寥せきりょうは誰の胸にも不意にやってくる

知らぬ間に心を侵食されそうになり

わたしは自分の輪郭を確かめる


ああ、このまま逢いたいひとにも

逢えないまま朽ちていくのか

心がきりのなかに呑まれていくようで

思わず目を瞑る


🌫


次に目を開けた時

霧は少しずつ晴れていて

雲の狭間から

すうっと陽が射し込んできた


🌤


白い朝はいつしか

柔らかな玉子色に染められて

大丈夫よ、というように

くすくすと笑っている


窓を開けたら

入ってきた風が

優しく髪を撫でていった



うん、大丈夫


さあ、顔を上げて

わたしの朝をはじめよう


·͜· ☀︎

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