こんな、ゆめをみた
こんな、ゆめをみた
臨月のわたしは
仔熊にしがみつかれている
仔熊は眠っているようだが
そっとその身を離そうとすると
敏感に気づいて
わたしは陣痛が始まるが
そんな状況なので
苦痛と不安で
無事産めるのかと
気が気ではない
仔熊は抱きついたままで
スヤスヤと眠っている
開け放たれた窓の外からは
夜空に並んだ二つの月が
薄闇のなかの
仔熊とわたしを照らしている
たまらなく哀しい気持ちになって
わたしはホロホロと泣きながら
仔熊を抱きしめる
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