髪を切る。美容室へ行く。

ただ髪を切りたいのなら

ハサミを持ってきて

どんなに不器用だろうと

とにかくザクザク切ればいい

ザンバラだろうが

短くしたいだけなら

それで目的は達せられる


そうしないのは

まだどこかで

自分を諦めていないからだ

だから美容室へ行く

マスクをしてバスに乗って行く

美容師さんと会話して

こんなふうにしたいと伝える


サッパリとしていく髪とともに

心も軽くなる


わたしにとって


髪を切ることは

澱みを切り落として

また再生すること


ちょっぴり

"べっぴんさん"になった、と

風に頭を撫でられながら

軽やかな足取りの帰り道


わたしは

うーん!と背伸びをする

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