追憶

嗚呼、この夕焼け空の

胸に沁みいる懐かしさ


暮れゆく道を走るバスに乗り

揺れに身を任せて

流れていく街の景色を

窓からぼんやり見つめていれば

わたしの半身を美しい朱色が

いつのまにか染めている


嗚呼、この夕焼け空の

泣きたくなるような懐かしさ


薄闇のなかバスから降りて

家路へ向かいながら

ふと、振り返る

夕焼けの名残の色が溶けて

空は明度を落とし

街灯がわたしの影を映している



父よ母よ、亡き人々よ

人生の黄昏時に

このひと時の尊さを

こんなにしみじみと

今、感じている


こうして道の途中で立ち止まり

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