諸刃の剣

他人ひと


何もわからないくせに

どれほど知っているつもりでいるのだ

と問うた時

それは諸刃もろはつるぎにもなるだろう


他人ひとのわからないことがあるように

自分わたし他人ひとの全てを知るはずもない

自分わたしの見ている景色もまた

世界のほんの一部分でしかないのだから



常に諸刃もろはつるぎを手にしていることを

忘れないようにしたい


その剣を振り上げることで

傷つけ傷つくかもしれないもののことを

忘れないようにしたい


痛みの意味を


せめて覚えていたい

と思う

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