第11話 夢見る乙女の作家事情(詩)


 marry me たった一言

 心の隙間 埋めてくれた

 恋を知った兎さん 寂しいと死んじゃうの

 恋の相手も兎さん オオカミから守ってくれた


 会えない時には 聞こえてくる

 まっすぐな目で 心盗んだ

 甘いケーキみたいな

 甘い気持ちがあるの

 届けたい 届けたい 食べられたいよ


 あなた見るだけで

 ぴょんぴょん 跳ねちゃう 高まる鼓動

 この気持ち届けたい

 私の初恋


 





 キャーっ!

 キャーキャーっ!

 出来ちゃった出来ちゃったーっ!

 てんてんがこれ読んだらどう思うかな?

 ……

 キャーっ!

 だめだめそんなの! 絶対見せられないっ!

 ……ハッ!?

 もしかしてこれがラブレターを書いた女の子の気持ち?

 キャーっ!

 やだ、わたし、うそっ……

 キャーっ!


「てんてん大好きぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!」


 抑えきれなくなった気持ちが弾けて部屋中を跳び回って私を包む。

 幸せな気持ちに満たされていく。

 この気持ちは、てんてんがくれたもの。

 この気持ちは、私が生み出したもの。

 まるで二人の子供だねっ!

 やだもぅ!

 まだ早いよぅ!

 

「よぉぉぉぉぉし! この勢いでっ、二人の物語を完成させちゃうぞ!」 

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