接触。そして……

外へ出た私はフードを被りサフズルの首領と接触出来る場所を探していた。


(ここはダメ……人が多い……)そう考えながら私は次の候補地として雑居ビルを目指した。


「ここなら……首領達にも迷惑が掛からないかな。静かだし……」そう考えているとパキッと床が踏まれた音がした。私は振り返り「誰……?」と問いかければそこにはアルフィーが立っていた。


「やぁライ。いや……オスキュルテの姫。」


「その名前で呼ばないでくれる?不愉快よ」


「厳しいなぁ。で?1人で行動なんて珍しいじゃないか。何が目的?」


「……関係ないでしょう。私だってたまには単独行動くらいするわ。」


「へぇ?……まだ笑ってられるみたいだねライ。」


「……そうね。でも今貴方をここで殺せば私はもっと笑えるはずよ」


「面白い冗談だね。やってみるかい?」アルフィーがそう告げ、私が戦闘態勢に入った時、「そこまでだ」と低い男性の声が響いた。


「なーんだ。止めないで下さいよボス。」アルフィーがボスと呼んだ彼はゆっくりと姿を現しため息を吐いた。


「今は戦うなと言ったはずだろう。」


「でも彼女はあの村の生き残りですよ?殺しておかないと後々面倒な事になるかと」


「それは俺たちの仕事で 情報屋。お前の仕事じゃないはずだ。」


「はいはい……じゃあねライ。今度は本気でやり合おう。」そう告げてアルフィーは姿を消した。


「さて……君と直接話すのは始めてかなオスキュルテのお姫様。」


「っ……えぇそうね。その迷惑な名前を呼ばせるの辞めさせてくれないかしら」


「それは気分次第だな。それで?ここ最近俺達の情報を調べているようだが……一体何の用だ?」


「……敵の事を調べるのはおかしいかしら?」私は今笑えているだろうか。いや恐らく引きつった顔をしているだろう。目の前に自分の村を滅ぼした組織のボスがいる。今にも飛びかかってやりたかった。私は拳を握りしめただ一言「どうして村を滅ぼしたの」と問いかけた。すると彼……テオフィルは「そうだな……ただの興味本位と……その目が目的だ。」と告げてきた。 その目はまるでどんな感情も削ぎ落としたかのような冷たい目だった。私は1歩後退りをしたが彼は一気に距離を詰め「暫く一緒に来てもらうぞオスキュルテの姫。」と告げ、私の首へ手刀を落とした。


「このっ……許さな……」私は最後まで言葉を言おうとしたがぐらりと目の前が回りそのまま意識を失った。

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