仲間


あの仕事から1ヶ月が経ち、私たちはいつも通りアジトでのんびりしたり仕事をしたりと生活していた。当の私はサフズルの首領についての情報を探しながらパソコンとにらめっこしていた。すると首領が「ライ。少し焦りすぎじゃないか?」と声をかけてきた。私はその言葉に目を見開き立ち上がった。

「早くサフズルの首領を見つけないと……」


「それが焦りすぎだと言っているんだ。少し落ち着け。」


「っ……でも早く見つけないと村の皆が浮かばれない!」


「何でもかんでも1人で解決しようとするなと言ってるんだ」


「え……?」


「俺達は仲間だろ?少しは俺達を頼れ」 そう言われて私は目を見開きその場に座り込んだ。あんな事があったのにまだ私を助けようとする……まだ私を【仲間】と呼んでくれる。それだけで嬉しかった。私は小さく笑みを浮かべ「すみません首領……もう大丈夫です。」と告げた。



「本当か?」


「……えぇ。大丈夫です。サフズルの首領の情報を集め次第接触します。」


「……そうか。あいつらにも調べるように伝えておく。いいな絶対1人で行動するな。」


「了解しました首領」 私は首領の言葉に笑みを浮かべながら答えた。此処を壊したくない。壊させない。たとえ少し無茶をしてでも皆を守らなきゃ……そんな事を私は考えながら笑みを浮かべ続けた。

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