脱出の後
飛び降りて屋敷から脱出した私達はアレンの運転でアジトへと戻った。私とライカはため息を吐きながらアジトの門をくぐった。
「ただいま戻りましたー……」
「ライ!ライカおかえりぃ」
「ただいまニーナ。アレンはあとから来るよ」
「りょーかい。首領呼んでくるねぇ」
「うんお願い」 ライカがニーナにそう告げたあと私はいつもの定位置に座り他の団員が持ってきてくれた水を一気に飲み干した。その後すぐにアレンが入ってきて「あ"ー……疲れた……」とつぶやき私とライカは笑みを浮かべ「お疲れ様。」と声を揃えて言った。暫く談笑しているとカツンと靴が鳴り私達は一気にそっちを見た。そこには髪を下ろしラフな格好をした首領が居た。私達3人は首領に近づき一礼をした。
「目的の物は?」
「こちらに……それと……」
「あの……本なんですけど……」
「相手に見つかっちゃって盗ってこれませんでした……」 私がそう告げたあと首領は小さく笑み浮かべ私たち3人の頭をくしゃりと撫でた。私達が目を白黒させていると首領は一言「俺はついでにと言ったはずだ。」と告げてきた。私は首領の言葉を思い出していた。確かに【ついでに盗ってこい】と言っていた。私はため息を吐いたあと「……お咎めは……?」と問いかければ首領は「罰が欲しいのか?」と質問を質問で返してきた。私とアレン、ライカは勢いよく首を横に振り否と伝えた。その様子に首領は笑い「よくこの2本を盗って来てくれた。疲れただろもう休め」と告げて2本の剣を片手で持ち部屋へと消えていった。
「……なぁあれそこそこ重かったよな?」
「……だいたい1本3kgってところかな」
「……あれを片手で……首領って一体握力いくつあるんだろ……」そんなライカの言葉を聞いた私達は「考えないでおこう」と決めて私たち自身の部屋へと歩を進めた。
この毎日がもうすぐ壊れるだなんてまだ誰も知らなかった……
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