初めての仕事

アップグルントのアジトで過ごすようになってから数ヶ月がたった頃、私たちは首領から呼び出され建物の中で1番広いフロアへと集まった。


「よし。全員集まったな」

「首領!仕事か!?今度は何を盗むんだ!」

「落ち着けディラン。確かに仕事だが……盗む物はライが知っている。」首領は私の方を見たあとこくりと頷き目配せをした。私は立ち上がり予めプリントしておいた資料を団員へ配った。


「これは近日に行われる裏オークションで出品される品々です。シレーヌ・ラルム【人魚の涙】や世界八大秘宝の一つである碧玉石へきぎょくせきなどが挙げられています。」

「碧玉石って確か〜ヒメウソ村のオッドアイと同等の輝きを放つって言われてるやつだよね〜」

「えぇニーナ。まぁ他にも色々出品されますが……首領。どうしますか?」

「そうだな……全部盗る。」その言葉を聞いた団員数名は歓喜の声を上げた。その中アリアがすっと手を挙げ「オークションって事はお客さん入ってるよね?その人達はどうするの首領」と問いかければ首領は妖しい笑みを浮かべ「全員殺していい。オークションの品だけ持って帰って来い」と告げた。




そしてついにオークションの日になった。私はアリアとニーナに選んでもらった服に着替え首領達が集まるフロアへ向かった。

「よし全員集まったな。まず会場に潜入するのはライとアレン。そしてニーナとカイル。他のメンバーはこの4人の合図を待って会場に入ってもらう。」

「はぁ!?おい首領!アレンにカイル、ニーナは分かるがライは今日が初仕事だろ!?」

「なんだディラン。ライが心配か?」

「なっ……そうじゃねぇ!初仕事でこれはどうなんだって思っただけだ!」

「……ディラン大丈夫です。ありがとうございます。首領からハストゥバの短剣を頂いたので。」

「ふーん……」

「話は済んだか?じゃあライ達は先に行ってくれ」その言葉を聞いた私たちはこくりと頷き「「OK首領」」と答えてから私たち4人は先にオークション会場である【ホテル プリムラ・べリス】へと向かった

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