持っている能力
「そういえばライ。君は何か能力を持っているか?」そう首領は問いかけてきた。
「……えぇ。私の出身はヒメウソ村ですから」
「ヒメウソ村……って世界八大秘宝の?」
「…知っているんですね。流石盗賊団…私の能力は大天使ノ断罪……『アンジュ・ド・ジャッジメント』です。」私がそう答えると首領は少し考えた様な表情を浮かべ「ジャッジメント……?一体どんな能力なんだ?」と問いかけた。私は「……信頼している人以外……つまり私が敵だと判断した人にのみ発動して……罪の重さに応じて拘束することが出来ますけど……」と答えた。その言葉を聞いたディランが「へぇ」と短く言葉を漏らしアリアは「ライ凄いじゃん。それにその能力なら首領との相性も良さそうじゃない?」と笑いながら言ってきた。首領は「そうだな……俺の能力である黒き呪いの花…『チョコレート・ブルーメ』とも相性がいい。ライが拘束して俺が傷をおわせる……どうだお前ら」と周りを見ながら告げた。団員達は口々に「いいんじゃない?」「色々やりやすくなりそうだな」と告げ、私は息を吐き小さく笑みを浮かべた。すると「その能力……アップグルントの為に……そして俺の為に使えライ」と告げられた。その言葉を聞いた私は瞬きしたあと笑みを浮かべ「はい首領。」と短く告げた。(この能力でリリーや村のみんなを殺したサフズルを壊滅に追い込んでやる……)そんな事を思っていると後ろから抱きつかれ、ばっと後ろを振り向けば同年代であろう少女……ニーナが居た。ニーナはやんわりと微笑み「ライちゃん顔怖いよ〜?大丈夫大丈夫。ライちゃんの願いはぜーったい叶うよ〜」と間延びした声で告げてきた。その言葉に瞬きしていれば首領は「ニーナの能力である夢魔のゆりかご…『エンド・クレイドル』だな。ニーナは触れた相手や仲間と認識した相手の心が読めるんだ」と教えてくれた。その言葉を聞いて納得した。
「そうなんですか……」
「ごめん。もしかして嫌だった〜?」
「いえ。気にしないでくださいニーナさん。あの言葉とても嬉しかったです」
「それは良かった〜。あと呼び捨てとタメ口でいいよ〜同い年っぽいし〜」
「……分かったよニーナ」そんなやり取りをしていれば他の団員達は「今度俺の能力も教えてやるよ」「俺も俺も」と告げてきた。その様子にくすりと笑ってから私はこくりと頷いた。
(あぁ……ここは暖かいな……首領も皆も優しくて……)そんな事を考えながら私は団員たちを見つめていた
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