団員ナンバー0

ルネからの言葉から私はアップグルントへの入団が決まり気がつけば周りには他の団員も集まっていた。その中でも一際大柄な男……ディランが口を開いた。

「でもよー首領。こいつひょろっちいけど本当に役に立つのかよ?」その言葉に首領であるルネは目を見開き少し考える素振りを見せ問いかけてきた。

「そうだな……ライ。戦闘経験は?」

「護身術程度なら……」

「ほら見ろ首領!こいつ絶対足でまといになるだろ!俺は認めないぜ」

「……ディラン。これは決定だ。文句があるなら出ていくか?」

「っ……悪かった首領。」

そんなやり取りをしたあとルネは私の方に振り向きにこりと笑みを浮かべ「悪かった。」と短く告げ私は緩く首を振り「大丈夫」と答えた。



「そういや首領。ライの団員ナンバーはどうすんの?」そう挙手をしながら問いかけたのはメンバーの一人であるアッシュだった。

「団員ナンバー……?」

「そ。アップグルントの団員は全員に団員ナンバーが割り当てられてるんだ。」そうアッシュが答えればルネは私を見たあと小さく頷いた。

「よし。ライ決めたぞ。お前の団員ナンバーは0。俺の側近とする」その言葉を聞いた団員達は「「「「はぁ!?」」」」と声を揃えて言った。告げられた言葉に私は瞬きしながら(ナンバー0……?首領の側近……?ということはサフズルに近づきやすくなるんじゃ……)と考えていた。黙っている私を見たルネ……首領は「ライ?このナンバーは嫌か?」と問いかけてきた。私は首を振り「いいえ。私……ライ=シャルロット喜んでナンバー0を背負いたいと思います。」と告げた。首領は笑みを浮かべ「アリア。頼んだぞ」と告げれば一人の女性が「はーい」と短く返事をした。 その返事を聞いた首領は私に近づき「さて……ライ。改めて歓迎するよ。ようこそアップグルントへ」と手を差し伸べ告げた。その言葉を聞いた私は彼に跪き「私の全てを貴方に捧げます……首領」と答えた。(全てはサフズルに復讐をする為に……)と考えながら。

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