潜入そして……

数時間車に揺られ私たちはホテルの裏口に着いた。軽く伸びをした後車から降りアレンの指示で私とカイル、ニーナとアレンの2手に分かれホテル内へ入った。


「これが初仕事とは……ライ大丈夫か?」

「大丈夫です……まぁ少し緊張してますけど」

「その程度で済んでるなら大丈夫そうだな。」

「えぇ……そろそろ時間ですね。」そう話しているとカイルがこくりと頷きそっと音を立てずにドアを開けた。すると本来の司会者に変わりニーナとアレンが壇上に上がり話し始めた。

「えー……皆様よくお集まり頂きました。堅苦しい挨拶は終わりにして……今すぐあの世に行ってもらおうか」その言葉を皮切りに私は首領から貰ったナイフで近くにいた男の首を掻き切り周りを見つめた。オークションの客達が「なんだこいつら!」「おい外の応援も呼んでこい!」と叫ぶ声を無視しながら私達は首領達が来る前に会場に居る客達を殺した。


「やるじゃんライ。お疲れ様」

「お疲れ様ですアレン。」

「結構人数居たなー首領達大丈夫か?」

「首領達なら大丈夫でしょ〜ほら私達はお宝持ち出そ〜」そんな事を話しているとまだ息があった1人が咳き込みながら「お……前ら俺にこんな事をしておいて……タダで済むと思うなよっ……お前らの家族を全員皆殺しにっ……」なんて言ったあとアレンはその人の頭を撃ち抜き「俺らに家族なんて居ねぇよ」と告げた。その言葉を聞いた私は瞬きしたあと隣にいたカイルを見つめた。カイルはその視線に気が付き「アレンが言ったのは本当だよ。俺らは全員親が居ない。ヘルトキドの生まれだから。」その言葉を聞いて私は目を見開いた。ヘルトキド。そこは何を捨てても許される街として有名だった。武器でもお金でも人間でも。ニーナとアレンが袋にオークション品を詰め込んでいるのを見たあと「まぁ気にすんなよ。俺たちは全く気にしてないし。」とカイルの言葉にこくりと小さく頷きニーナが「お〜い。2人ともそろそろ行くよ〜」と告げた言葉に私とカイルは「「分かった」」と短く返事をして外へ向かった。



部屋の外に出るとそこには他の団員たちが廊下にいた。私が首を傾げていればニーナが「私が連絡しておいたんだよ〜」と告げてきた。その言葉を聞いたあと私は納得した表情浮かべていれば首領は「ライ。初仕事はどうだった?」と問いかけてきた。私は少し悩んだあと「問題ありませんでした。」と短く告げた。その言葉を聞いた首領はにこりと笑みを浮かべ「そうか。おつかれさん」と告げて他の団員に指示を出し私はついて行くように首領が乗り込む車へと乗った。

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