第11話◆アイテム作りは続くよどこまでも
※近況ノートにセレンテスとルリチェの絵姿があります。
※2022/06/01:貨幣の単位を変更しました。
◆◇◆
さて、日本を体験してからこちらに来るとどうしてもという訳では無いが、どげんかせんといかんよなぁ?的な物はチラホラと出てくる。
その際たる物が『財布』だろう。
特にこっちの世界の財布は帆布に似た丈夫な布や鞣した革で出来た紐で縛るタイプの巾着袋なのだ。
昔の日本ですら長財布があると言うのに·····。
まぁ、日本みたいに小判みたいな長い貨幣や紙幣が存在しないからなんだろうけど。
ここで貨幣について説明しよう。
日本の円換算で大体だがな。
銭貨︰5円
鉄貨︰10円
銅貨︰100円
銀貨︰1,000円
大銀貨:5,000円
金貨︰10,000円
大金貨︰100,000円
白金貨︰1,000,000円
星金貨:5,000,000円
白星金貨:10,000,000円
星金貨や白星金貨は大商会とか貴族や王族しか使わない、大口取引用の金貨な。
解って貰えたとはおもうが、巾着袋の中でコインがジャラジャラすんのよ。
しかも余程細かい人や商人でもない限り、銅棒貨以下、金貨以下、なんて小分けにして持ち歩かんのね。
オールインワン・ジャラジャラ。
俺としてもお小遣いと路銀は分けたいし、さらにヘソクリも作りたい。
ので、魔法鞄を作った材料を使い、空間収納から取り出しますはこちら·····。
「てってれー!推しのコラボグッズ『西陣織と博多織と沖縄ミンサーと結城紬と牛首紬のがま口財布』ー!」
こちらは推し5人組のイメージカラーを主体に、作られた手のひらサイズのがま口財布である。
でかいがま口バッグももちろん揃えてはいるが、今回は財布の方で。
ちゃんと使う用・布教用・保存用と3つずつ買っておいて正解なのである。
いいものは使ってこそなのである。うむ。
「これをちょいちょいと·····こうして·····魔法陣を刻んだ魔装布を仕込んで·····と」
細かい作業はプラモデルで慣れているので苦ではない。
例の組み立てたら全長3メートル的なあのプラモデルも頑張ったからな!
「できた、と。アリス、どれがいい?」
俺とアリス、セレンテスさんとルリチェさん、パパの分のマジックウォレットのできあがりー。
「ふわぁ!この藍色の、かわいいです」
「結城紬か、いいセンスだな。中は1メートル立方、重さ1トンまで入れられるから無難に財布として使ってくれ。もちろん、ソート機能もあるし同一貨幣は300上限で次のスロットに切り替わる。また、幾ら出したい、と思えばその金額取り出し出来るぞ」
「やった!ありがとうございます!これで200年間使わなかったお金入れとけます」
「·····お前のは少し容量増やしてやるよ·····」
200年間溜め込んでいたとか、どれだけぇ?
アリスには同じ結城紬のがま口財布で3メートル立方、重さ2トンまでと作り直した物を渡した。
「ジャラジャラ音がするのが嫌だったんですよねぇ」
「わかる。小銭でジャラジャラさせるのは俺も嫌いだ」
この世界に、紙幣を導入したい·····。
まぁ、印刷技術が雲泥の差だし、透かしはともかく、ホログラムとか超細密画とか特殊発光インクとかさぁ。
無理だし·····。
印刷技術の革命的な躍進が待たれる。
「後は·····武器防具は俺のコレクションがまだ使えればいいんだが·····。200年前の武器防具なんて、古いだけのアンティークでしかないからな、難しいところだ」
「でもメル様、形状加工とステータス継承が出来ましたよね。今の技術で作られた物と合成してみたらいかがですか?」
それだ!
今の技術で作られた武器防具アイテム類、興味があるし!
200年も経ってるんだ、日本で言うなら軽く幕末から現代だぜ!
634メートルの電波塔とか建てられちゃうほど技術が進んでるんだから、期待はしていいよな?よな??
「アリス、ラルとパパに伝えておいてくれ。明日から少し、色々と見て回るとな。あと収納内の細かい物を換金したい」
「かしこましました、メル様。露払いはお任せください」
いや、戦地に行くんじゃないんだからな?
大丈夫か?このオールワークスメイド。
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