第6話◆よし!キャラメイクしよう。
◆◇◆
New俺、参上。
サリさんの養子になりました、ハイ。
お小遣いの金額と目的地までの経路にある各地の特産品、ご当地グルメ、伝統行事なんかをメインにプレゼンされ、貴族である事のメリットデメリットをよく説明され、更には上級乗合馬車フリーパス券、劇場等の日付フリーの招待券をチラつかせられたら頷いてました。
ついでに各契約書にもサインもしてました。
オーウェンさんもメイフェさんも呆れた瞳を向けてきたがいいんだ。
俺は日本でサブスクや伝統行事を守り、お金を落として後世に伝えていく大切さを知ったから·····。
いつまでも、(タダで)あると思うな、推し(から)の供給。
そんな訳で、早速キャラメイクですよ。
まず、サリさんに似た顔のアバターを作ります。
ふふふ、伊達に数々のMMORPGやソシャゲでキャラメイクに時間を費やしてませんよ!
俺位になればRGB1%単位で色を合わせることなど朝飯前だ。
それといきなりこんな大きな子が居るとなると流石に年齢的に·····、となったので外見は12歳ほどに。
髪の毛はサリさんと同じゴールデンブロンド·····のライトかこれ。と、右横髪にストロベリー色を一房ちょろっと。
髪型はソシャゲの推し兎人を使おう。横髪が長く後ろ髪ふわっとな感じで。
目の色は厨二病発動してサリさんと同じライトブルーにミントグリーンのオッドアイ。
肌の色もサリさんに合わせたし、あとは服だな。
幸い、空間収納の中に前に着ていたやつとか作ったはいいけど着る機会がなかったとか、タンスの肥やし的なものが武器防具アクセサリー込でしまい込んである。
そこからちょいちょいサイズを調整して·····と。
白をメインに紺と金を配色した、ローブ風で軍服っぽくて、刀が似合うやつにした。
結果、身長145cm、体重38kgの小型生命体な俺が爆誕いたしました。
小型生命体になったのは偏に相手からの庇護欲と軽視させやすくする為。
あとは隙間なんかに入り込める利点くらいかな。
それでもステータスはそのままなのです、ふふふ。
パパ、知ってるか。
魔王ってのは歴代の方々からスキルもステータスも継承して、満遍なく底上げされ続けて行く特権職業なんだぜ。
まぁ各種耐性が上がってるせいで、ブラック企業の重度社畜みたいな働き方してたけどな!!
魔王職に着いてから1度も家に帰ったことなんかなかったからな!!
泣いてない、泣いてないからな!
「シュリ、突然泣き出したけど大丈夫?」
メイフェさんが蜂蜜茶とバターケーキを出してくれた。
ありがとう、大丈夫·····バターケーキ美味しいです。
「それで、名前はどうする?」
新規冒険者登録用紙を出しながら、オーウェンさんが聞いてくる。
流石に中継までされたんだから終王珠理の名前は使えない。
魔王としての本名なんか以ての外だろう。
「そうだなー。元の名前も使えないしなー。そういえばサリさ·····パパのお名前は?」
こええ、サリさんて呼ぼうとしたらニッコリと微笑まれた。
あれはやべぇ笑顔ですよ。魔王時代の右腕がよく外敵に向けてたやつですよ。
「僕の本名はアルサリュエス・イニッツ・ライズ・オプスキュリテだよ」
「オプスキュリテ·····ってまさか·····」
「ふふふ」
ここで解説。
貴族の名前には法則があったりなかったりするんだけど、サリ·····パパみたいに元の貴族の家から別の家を興した場合、一代目当主はイニッツ(初代当主)という号がつく。
大した成果もなく家を興したりすると、アンイニッツとか『ろくでもない初代当主』て感じのニュアンスで陰口叩かれたりする。
それに『オプスキュリテ』とう家名の後の称号だ。
主要貴族の会合で意見が別れた時や投票数が綺麗に別れた時に天秤を傾ける役割に付けられる称号のはず。
その代わり、貴族が有する特権なんかは半減されるみたいだけど、国から信頼されているっていう証なんだよな。
サ·····パパの名前を説明するとしたら、『貴族会合の裁定権を持つライズ家一代目当主のアルサリュエルさん』となる。
パパ、超有能でない?チート持ってない?
実は現地自然発生勇者とかじゃない?
俺の疑問の視線に、またニッコリとパパは微笑むだけだった·····。
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