私のこと殺してくれない？

私のこと殺してくれない？

女「上島竜兵が自殺したから、私も自殺したくなっちゃった」

男「え、なんで？もしかしてファンだったの？」

女「いや、別に。でも、羨ましいじゃん。辛い現実からドロップアウト出来てさ」

男「でも、自殺したら地獄に堕ちるんだよ。やめた方がいいよ」

女「地獄ねぇ。君は２０歳を過ぎた今でもそんな馬鹿げたおとぎ話を信じてるの？」

男「別に信じてないよ。でも、そうでも言わないと、自殺する人を止められないじゃん」

女「でも、それだったらさ。自殺したらその瞬間を繰り返すとか言われた方が抑止力があると思わない？」

男「まぁ、一理あるね。で、さやかちゃんはそう言われたら、自殺するのやめるの？」

女「う〜ん、微妙。でも、そう言われたら自殺しないで、誰かに殺してもらうかな。それに私、自殺したいけど、自殺したらあの人は、かわいそうな人ってレッテル貼られる気がして嫌なんだよねぇ。きっと、今の私が上島竜兵に対して抱いている感情を、他の誰かが私に抱くんだろうって考えただけで反吐が出る。だから、誰かに私のことを殺してほしい。でも、殺してって言われたから、殺したって言われるのは嫌。家族に私が、自殺願望があったなんて知られたくない。だから、私のこと殺しても、私が殺してほしいって言ったことは黙っていてほしい」

男「クズだし、傲慢だね。さやかちゃんは」

女「それで、君にお願いがあるんだけどさ。私のこと殺してくれない？」

男「無理。どうして今の返しでOKしてもらえると思ったの？それに僕、さやかちゃんのことそれほど好きじゃないし。そんなに死にたいなら彼氏を作って彼氏に言えよ。馬鹿」

女「酷い。最低」

男「人の人生を顧みずに、ロクでもないお願いする奴にそんなこと言われたくない」