第3話 疫病商売


 よう!あんたか?新型のワクチンを開発したいって奴は?


 何?今よりも良いワクチンが出来れば儲かるからだって?


 ははは!それは間違いねぇ!それで俺なんかに声が掛けられたって事かい。


 にしてもアンタ随分金持ちらしいじゃねぇか!


 今回もかなり報酬を弾んでくれるって話だしよぉ!


 しかもしかも!成功すれば利権の半分は俺達にくれるって言うんだから太っ腹なんてもんじゃないわな!


 それで、何が聞きたいんだ?


 こんなうまい話には裏があるってのが定石だろうよ。


 へー今回の疫病の出所かい?


 そりゃあ俺にも分かんねーが俺なら何か知ってると思った訳か。


 目の付け所は悪くねぇが惜しかったな。


 俺は所詮末端も末端よ、当然何かありゃ尻尾切りよろしく始末されるだけさ。


 何?だからこそ俺に声を掛けたってか?


 ほーん。


 その真意を聞かせてはくれねぇか?返答や条件次第ではそちら側に付いてやっても構わねぇぜ?


 どうせ何かありゃ始末される身さ。


 どうせなら旨味が多い方に着いた方が得だろ?





 なるほど、悪く無ぇ条件だ。


 だがこれだけじゃ頷け無ぇな。


 何が足りないか?


 そんなもん簡単よ!俺の身の安全に決まってんだろ?


 おっ?そうかそうか!そんだけしてもらえりゃ俺も今後怯えずに楽隠居出来るってもんよ!


 良いぜ!俺はあんた側に付く事にするぜ!


 それで、俺はどうすりゃ良い?


 内部で情報を集めろだ?


 どんな事が知りてぇんだ?


 疫病の開発者とワクチンの開発者、それとボスが誰かって事か。


 おーけー、調べるのは構わねぇが正直ボスが誰かは調べられんかもしれないぜ?


 何故かって?


 そりゃあお前、こんだけの事をしておいて何にも情報が無いんだぜ?組織の人間でも知ってる奴なんて殆どいないだろうよ。


 まぁボスの事についてはあんまり期待せんでくれや!


 おう!それじゃあ何か分かったら今度はこっちから連絡するからよ!



 ☆ ☆ ☆



 ボス、今良いですかい?


 あんた相当恨まれてますぜ。


 あんだけの大物が躍起になってアンタの事を探ってる。


 一応は誤魔化しやしたが俺以外にも接触してんのは間違い無さそうですぜ。


 もしかしたらもうすぐアンタにも罰が下るかも知れませんぜ?


 どうするんです?


 へぇ!国外ですかい?金があるってのは良いですねぇ!羨ましい限りですぜ!


 えっ?俺も行って良いんですかい?


 そりゃ、ありがてぇ!


 はい、りょーかいしやした。


 ではまた後程。



 ☆ ☆ ☆



 この組織ももう駄目だろうな。


 恨みを買い過ぎてる。


 とばっちりを食らう前にとんずらだな。


 最後に両方に情報流して貰えるもんだけ貰うとするか。






















 さて、次はどんな疫病とワクチンを作ろうかな?


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短編置き場 きゅーびー @kyubiqb

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