第8話

鉄格子を叩く音が響く


「出せぇ……!!ここから……!!」


リュンヌ「せいぜいそこでくだらない人生を過ごす事ね」


「ふざけんな……!!俺は何もしてないというのに!!」


リュンヌ「問題は貴方じゃないわ、貴方の転生主に問題があるの。貴方は確かワイバーンだったわね」


檻の中に入っている囚人が格子を掴み揺すり始める


「俺にはどうしようもないじゃないか!一生檻の中って……人の人生をなんだと思ってる!」


リュンヌ「貴方を放すと他の人間を大勢殺す可能性があるからよ。他の囚人達もそういう理由。ちゃんと制御出来る主人だったらまだ救いようはあったかもね。」


「クソが!いつかこの檻を引き裂いて貴様も

八つ裂きにしてくれる!」


リュンヌ「楽しみにしとくわ」


「お前なんかレザールさんにかかれば一瞬で

バラバラに出来るんだぞ!ですよね、レザールさん!」


レザール

転生主:リントヴルム

数多の国や村を壊滅させてきたが、王国の兵士によって牢獄の中に閉じ込められた


レザールは牢獄にいる囚人の中で1番強く凶悪であった



レザール「うるせぇ……」


リュンヌ「ここの檻の中だけは能力が使えないようになってるわ、貴方達が出てこれる訳ない。」


リュンヌは1番奥のレザールの檻の前まで歩き立ち止まると見下す視線でレザールを見た


リュンヌ「この檻の中で一生過ごすなんて醜いわね、奴隷の様に使う事も出来ずご飯が来るまで待ってるだけのただの家畜。いえ、家畜はまだ食べ物になるか。」


リュンヌがそう罵るとレザールは重い腰を上げ鉄格子に頭を打ち付け冷酷な目でリュンヌを見た


ガシャアァァン!



レザール「そこまで早まらなくてもいいんじゃねぇかメス豚……?この格子を抜けた時、真っ先に貴様を惨殺してやる。地に頭を垂れて泥水を啜わせ、命乞いしている姿だ。囚人共の好きにさせて腹を切り、血反吐を吐き、男の玩具にされる。覚悟しておくんだな」



リュンヌ「そこまで威勢を見せなくてもいいんじゃないかしら?貴方達が格子を抜けた時、すぐ様貴方を拘束するわ。手錠をかけられ、地面とキスして、悔しがる様を傍観してあげる。王国の兵士達に切り裂かれ死ぬ事も出来ず、永久に檻の中。貴方達にはそれがお似合いよ」



そう言うとリュンヌは振り返り牢獄の扉から出ていった。


それを確認した囚人達は一斉に声を上げ始めた


「かっくいぃーー!!」

「たまんねぇ……!」

「最っ高」


レザールはベッドに腰掛け膝を組んだ


「今日のリュンヌも可愛かったなぁ…!!あの首筋最っ高に色っぽいんだよ!」

「俺は太ももが1番好き!やべぇってあれ!」


「レザールさん!リュンヌを弱らせたら殺す前に俺達に任せてくれないっすか!?」


レザール「好きにしろ」


「ヒュー!レザールさん分かってるぅ!」



………あの野郎……今頃何してんだ





レザール「よぉ……新入り」


「どうしました、先輩」


レザール「お前の転生主は誰なんだ、そのせいで此処にぶち込まれたんだろ?」


「バハムートですよ、殺戮を繰り返すって巨魚って言われました。貴方は?」


レザール「リントヴルム、ワニのように長い頭で鋭い牙を持つドラゴンさ」


「成程……ははっ、貴方とここを出る事が出来たらそれは楽しいでしょうね」


レザール「何 夢物語のように話してんだ、これからやるんだろ」


「そうですね……楽しみにしときます」









何で俺より先にくたばってんだよ……

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