第7話

スピネ「アギトー!今日は魔法の練習をしませんか!」


アギト「……俺には拳とか剣の方が合うかと」


スピネ「練習サボりたいだけ?」


アギト「イイエ ソンナコトハ……」



雲ひとつない空の下、家の前でスピネが俺に魔法を教えようとしていた


確かに憧れるけどね……魔法とか出来る気がしない。どうせ「すぅー!ばーんって感じで!」とか言うに決まってる


レグルスさんならまともに教えてくれるかな


アギト「魔法って言ったってどうせ杖とか持って力をためてとかなんでしょ……俺には無理ですよ」


スピネ「杖でもいいんだけど……魔法初心者には魔導書の方がお勧めだよ。はいこれ」


そう言って俺に魔法陣が書かれた分厚い本を渡してきた。結構重いぞこれ


スピネ「適当なページ開いて魔法陣に手を当ててその魔法を唱えてみて」


……??

取り敢えずパラパラとページをめくり、適当なところで魔法陣に手を置き その魔法の名を口に出す


アギト「クリア」


刹那、目の前に水色の煙がのぼった

だがかなり小さく煙も高くは上がらない


スピネ「クリア、状態異常回復の魔法だよ。まぁ、初級だと ちょっとした状態異常しか治せないけどね」


アギト「これ、誰でも使えるんですか?」


スピネ「魔法に適性がある人なら誰でも、ガッチガチの騎士とかじゃなければね」


凄い代物だな

魔法なんて使ったことがないのに簡単に出来た。


アギト「でもスピネは魔導書とか杖とか使ってないですよね」


スピネ「慣れると要らなくなるよ、杖も魔力増幅用だけどその内要らなくなる」


アギト「レグルスさんも?」


スピネ「レグルスも、杖とか魔導書とか使わず手だけで魔法唱えてるよ」


俺もその内出来るのかな……暫くはこの魔導書使お……


スピネ「その魔導書使って慣れたまえ」


アギト「了解です……」




ゼド「皆そう言うけどさ、そんな事はただの禁忌なんだよ。冒涜ってやつ」


ゼインは王国にあるゼドの研究室にいた

椅子に座って白衣を着たゼドと話している



ゼイン「でもお前はそんな感じの研究をしているじゃないか」


ゼド「不死と蘇生は違うのだよ……」


2人が話しているといきなりドアが叩かれた

ドンドンッ


「ごめんください、ゼド様!いらっしゃいませんか!」


ゼド「どうしました」


いきなり現れた男はゼドの研究室に入りゼドに懇願し始めた


「どうか……どうか私の子供を蘇らせてくださいませんか!!」


ゼド「取り敢えず落ち着いてください、まず私が研究しているのは死者蘇生では無く不死です。」


男は涙を流し始め頭を下げた


「もう……頼みの綱はゼド様しか残っておりません……どうか……」


何度もゼドの元に訪問しては死者蘇生を頼んでくる人達にゼドは嫌気がさしていた


流石に耐えれなくなったのか鋭い目をし歯を食いしばった


ゼド「……なぎ」


ゼイン「ゼド、辞めとけ」


ゼド「くっ……」


何かを言おうとしたがゼインに止められ口を閉じた


ゼイン「申し訳ございません、ここでは死者蘇生は出来ません。他を当たってください。」


「……はい……分かりました……」


男はそう言うと研究室から帰って行った

ゼドはそっぽを向いていた


ゼイン「止めて悪かったな、お前の感情も分からんというのに」


ゼド「いや……ごめん、これでいい。道を外れるところだった」






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