シーザーの色塗り体験!

何か楽しかったお土産を後にした俺達は

シーサーの色塗り体験をしにバスで移動した。

こうゆう作業好きだなと楽しく色塗りをしていると

となりで作業している神川さんは話し掛けてきた。



「ねぇ秋兎くん」


「何だよ舞?」


「色塗りって素敵よね?」


「どんどん完成していく感じが楽しいよな!」


「それはもちろんなのだけど…」


「ん?」


「綺麗な肌に少し粘り気がある物をベタベタと筆(意味深)で撫でて染めるなんて素敵よね?」




「歪んでるな!?」


「えぇ~…何か良くない?」


「ん~…」


「想像力が足りないわね…仕方ない…手伝ってあげるわ」


「な、何をだよ?」


「想像して?…シーサーが私で…筆がちんすこう」


「筆がちんすこう!?」


「年齢制限(理性)が掛かったわ!」


「ありがとう理性!」


「まぁ、いいわ…伝わるだろうし…」


「な、なんのことやーら」


「…秋兎くんのちんすこうが…私の顔にペチペチ当たって…トロッとした物を…擦り付けて「やめろ!?」」



小声で耳元とは言え…いや、だからこそ

やめてほしい…な、なんかこう…助けて男子達!



「ふふふ…耳赤くして…そんなに…いいのかしr「舞さん?」」



舞が乗ってきた所で遮る声が聞こえる…

この話数にして初登場の…



「舞さん、大きい声を出さないのはえらいけど、近すぎますよ?…節度を持ちなさい?」



担任の先生霜月先生である。

俺達は一年生の時からお世話になっている先生で

家庭科教師でアダ名は【えっちゃん先生】である。




「エッッ先生…すみません。」


「舞さん?前から思ってたけどその呼び方…大丈夫?」


「何をおっしゃいます先生…すごく敬意を込めて呼んでます!」



「ならいいけど…」


いいんだ。



「あ、でもあまり男子をからかうのはダメよ舞さん?」



「からかってませんよ?」


「君がその気が無くても、あきt「からかってません本気ですから」」



すっっっごい静寂が訪れ、アワアワしてしまった

先生はあたふたしたまま

混乱したのか口を開き



「ならよし!」


親指を立てて去っていった


それでいいのか先生!?



「私の本気の愛が伝わったのね!」


「伝わったのは狂気とかじゃないかな!?」


その後、満足したらしい舞は黙々と作業を続け

俺が終わったのとほぼ同じタイミングで完成した

満足気な顔をした神川さんは再び話し掛けてきた



「ねぇ秋兎くん」


「何だよ舞?」


「シーサー交換しない?」


「別にいいけど…いいのか?見た感じ舞の方が綺麗に塗れてるが?」



「いいのよ…私は秋兎くんのが欲しいの…ダメ?」


ちくしょう…可愛くおねだりしやがって…

俺は黙ってシーサーを交換した。

負けたぜ



「わーい!…すっごく普通のシーサーね!」


「わ、悪かったな!?」


何色塗ればいいか分からず、ここに来るまでに見たやつ

の色を真似ただけだから、確かに個性は無いな



「…舞のは個性的だな」


薄いピンクの肌に赤い毛…でいいのか?

体毛…青い目が個性的だがすごい綺麗だ



「ありがとう、大事にするよ」


「私も大事にするわ!」


旅の思い出がまた一つ増えた。



「玄関に置いて、帰ったり出掛けたりする度に私を思い出すがいいわ!」



「…別にいつも舞を思い出してるが?」


「…デュフ」


「気持ち悪い」


「ありがとう…シーサー見るたびに今の言葉を思い出すわね!」



「お前はそれでいいのか!?」

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